チョ・ウンソク特別検察官(特検)チームが内乱首謀容疑の被告である尹錫悦(ユン・ソクヨル)前大統領に法定最高刑の死刑を求刑した。国を危機に陥れたにもかかわらず、一言の反省もない破廉恥な国事犯にふさわしい求刑だ。特検は裁判部に「厳しく断罪し、憲法守護の意志を見せてほしい」と述べた。これで12・3内乱に対する司法的断罪は内乱が起きてから約400日ぶりに一審公判を終え、判決だけを残すことになった。
13日に開かれた結審公判で、特検は「大統領の地位を利用して憲政秩序を破壊した。(12・12軍事反乱の)全斗煥(チョン・ドゥファン)勢力より厳しく処罰しなければならない」と重刑を求刑した理由を説明した。特検の説明がなくても、なぜ尹前大統領一味が重い処罰を受けなければならないのか、国民は皆知っている。尹前大統領は政権初期から政治的反対勢力を制圧し、権力を独占するために虎視眈々と非常大権の発動を狙っていた。妻のキム・ゴンヒ氏の「現代版官職売買」が明るみに出る危機に処したことを受け、実行に踏み切ったのだ。戒厳と関連してすべて許すことはできないが、最も大きな罪悪は「不正選挙陰謀論」を掲げたことだ。大統領ともあろう者が民主主義の根幹である選挙制度を否定することで国論を分裂させ、極右勢力の蠢きをもたらした。それに対する中途半端な許しや寛容があってはならない理由だ。
30年前、全斗煥(チョン・ドゥファン)、盧泰愚(ノ・テウ)元大統領の「成功したクーデター」を処罰した国で、内乱が再び起きるとは想像もできなかった。非道な軍事政権の「統治」を民主化運動で乗り越えた国民にとって、尹前大統領の「親衛クーデター」は決して容認できない妄動だった。民主主義に対する確固たる信念と勇気で武装した市民によって、内乱は直ちに鎮圧された。ところが、内乱を断罪すべき司法府は、理解できない行動で国民を失望させた。チ・グィヨン裁判長は裁判初期に荒唐無稽な拘束取り消し決定で尹前大統領を釈放した。内乱勢力に対する国民の怒りが、時間が経つにつれて収まることを狙った弁護人の裁判遅延を、傍観するように放置した。チョ・ヒデ最高裁長官は、このような奇怪な裁判を見守るだけだった。一日も早く司法的断罪がなされることを望む国民は眼中にもない様子だった。
国民は今、裁判所の判断を待っている。すでに憲法裁判所が12・3非常戒厳の違憲性について判断したが、裁判所の判決は非常戒厳全般に対する実定法的判断として歴史に記録されるだろう。裁判所は、法律と良心に基づいて厳しく断罪し、韓国の民主主義がさらに堅固になることを願う国民の期待を裏切らないでほしい。