本文に移動

文元大統領、鳩山元首相と対談「南北、終戦宣言と平和協定で戦争状態の終結を」

登録:2025-12-25 00:44 修正:2025-12-25 10:25
文在寅元大統領と日本の鳩山由紀夫元首相が19日午後、慶尚南道梁山市の平山書店で対談している=キム・ヨンウォン記者//ハンギョレ新聞社

 文在寅(ムン・ジェイン)元大統領は19日、個人の資格で訪韓した日本の鳩山由紀夫元首相と慶尚南道梁山市(ヤンサンシ)の平山村(ピョンサンマウル)で対談し、韓日関係、東北アジアに平和を定着させる方策などについて意見を交わした。二人は、米中覇権競争、北朝鮮の敵対的核保有主張、ロシアとウクライナの戦争という3重苦がのしかかる東北アジアの平和と安定のためには「韓日の主導的協力が必要だ」と強調した。

 この日、日本の植民地支配について韓国の人々から「もうこれ以上は責任を追及しない」と言われるまで謝罪すべきだとして「無限責任」を訴える鳩山元首相を、文元大統領は「尊敬する」と述べて歓迎した。鳩山前首相は「ぜひいちど平山書房(文元大統領が開いた本屋)に来てみたかった」と述べつつ、退任後も旺盛に活動する文元大統領を「尊敬する」と応じた。鳩山元首相は4代にわたり二人の首相を輩出している「日本のケネディ家」と呼ばれる政治の名門の家の出身で、2009年に民主党を率いて戦後初の「非自民党単独政権」を作った。二人の対談は平山書房で、ムン・ジョンイン延世大学名誉特任教授の司会で1時間15分間にわたって行われた。

-おふたりは近ごろどのような生活を?

文在寅:読書を勧める仕事をしている。平山書房で一日1~2時間ボランティアをしたり、平山書房のユーチューブで良い本を紹介したりもしている。平山書房は公益財団なので、収益金はすべて公益事業に使われる。現実政治とは確実に距離を置いている。

鳩山:公的な形で本屋を運営するというのは素晴らしいことで、尊敬する。地域住民にとても愛されている様子も印象的だ。まだまだ政治的な影響力をお持ちだと感じる。私は「東アジア共同体」を構想する研究所を設立し、理事長を務めて13年目となる。東アジアを戦争のない地域にしたい。そのためには歴史を直視することが最も重要だ。そのため、日本がかつて間違った戦争で韓国と中国に悲劇を与えたことにおわびをすることが非常に重要な課題だと思って行動してきた。韓日がより信頼できる関係のなかで行動できる環境を作っていきたいと願っている。

文在寅:日本でそのような話は人気がなく、むしろ反対にぶつかっているのに、勇気を曲げないことに対して尊敬を表し、感謝する。(2015年8月に)西大門(ソデムン)刑務所歴史館を訪れて「膝をついて謝罪」した姿が今も記憶に残っている。歴史に対する誠意ある態度は日本の自尊心を傷つけるのではなく、むしろ道徳性と国の格を高め、国際社会での日本のリーダーシップを確立するものだと思う。在任時、安倍晋三首相の歴史に対する硬直した態度が非常にもどかしかった。

-高市早苗首相についてはどう思うか。

鳩山:安倍首相は「一度謝ったら終わりだ」という考えだ。だが、加害国が「こうしたのだからもういいだろう」と言うのではなくて、被害者が「もうこれ以上は責任を追及しない」と納得するまで謝罪する気持ちを持ち続けなければいけない。私は無限責任が必要だと思う。しかし安倍首相のように高市首相は「終わった問題」だと主張するだろう。

文在寅:心配だ。韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領は非常に現実的な路線で日本との関係発展に努めるという心構えであるはずなので、高市首相が歴史問題で韓国国民を刺激したり挑発したりしないだけでも両国関係の発展と首脳同士のシャトル外交は可能だと思う。しかし最近の独島(ドクト)発言のように、韓国国民を刺激したり挑発したりする言動を続けると、韓日関係がまたも厳しくなる可能性がある。

-米国で「MAGA」という極右が政治的に勢力をつけている。韓国や日本も事情は変わらない。

鳩山:この30年あまり、日本が経済成長ができないでいる間に、韓国と中国はどんどん成長してきてしまった。その羨ましさが逆に憎しみに変わり、排他主義をもたらしているのではないかと思う。しかし、自分の国のみを愛するのは愛国ではない。隣りの国も愛してこそ愛国主義だ。日本は排他主義を克服しなければ世界の国々から尊敬ようにはなりえない。

文在寅:ごもっともだ。韓国は12・3戒厳内乱で民主主義が危機に陥った時、速やかに克服したため、全世界が韓国民主主義の驚くべき回復力に賛辞を送った。だが、今も韓国の保守野党は戒厳内乱という極端な選択を謝罪していない。穏健で合理的な保守勢力が力を失い、強硬な極右が保守の主流になっているせいだと思う。良心的な声が排斥されるのは、各国内部で愛国的な声が強すぎるせいだ。それは日本だけでなく韓国、中国、米国、欧州連合(EU)も同じだ。全世界の民主主義勢力はこれをどのように克服していくか、連帯と協力を深く考えるべきだ。政治指導者の役割が重要だ。

-最近、第2期トランプ政権の国家安全保障戦略が発表された。新孤立主義、取引主義などが目につくが、どのように対応すべきか。

鳩山:トランプ大統領が来日したときの高市首相の振る舞いを見ると、「米国の政策がどうあれ日本は追従する」と決めているように感じられた。トランプの経済第一主義に対して、日本は80兆円、韓国は50兆円を米国に投資すると発表した。私は日韓が協力して「これはおかしいのではないか」と強く言うべきではなかったと思う。

文在寅:トランプ政権の示す米国優先の一方的な態度や国際機関に対する敵意の表出などは、第2次世界大戦以降、平和と繁栄のために人類が共同で構築してきた多国間主義や自由貿易基調などの戦後秩序を崩す行為だ。米国との同盟は非常に重要だが、中国との協力も維持しなければならない。韓日は米中(の覇権競争)に引きずられる世界秩序に従ってのみいるのではなく、もう少し自立的な外交の道をともに模索すべきだ。ダメなものはダメだと言えるようにならなければ。

鳩山:米国か中国どちらかを選べという問いの立て方は間違っている。どちらも重要だ。だが高市首相は米国を選択すると思う。中国と対立し、韓国とも歴史をめぐる対立を引き起こしている。それでは発展的な方向性が出てこない。共同の利益を考えるべきだ。

-文元大統領は2019年の国連総会での演説で、「非核化プロセスは敵対関係の終息と相互安全保障の上に築かれるべきだ」と強調したが、その考えは有効か。

文在寅:その考えは今も変わらない。ただ、和平プロセスの過程と内容は変化があってしかるべきだと思う。当時は「非核化を前提とする平和プロセス」だったが、今、北朝鮮は非核化を前提とした対話を拒否している。まず、北朝鮮の核凍結の程度が対話の出発点だと考えうる。そして早期に終戦を宣言するとともに平和協定を結び、朝鮮半島の長年の戦争を公式に終わらせなければならない。平和への過程に欠かせないものだ。さらに朝米間、日朝間で関係正常化を論議し、国交樹立とともに非核化も最終的に実現することが現実的ではないだろうか。北朝鮮に非核化を要求するには、確実な安全保障策、経済発展のビジョンを提示し、北朝鮮に受け入れさせなければならない。かつてその役割を果たしたのは米国だった。だから北朝鮮は米国のみを相手にしたのだ。しかし今まで成功できていない。今や韓日が共同で主導的にイニシアチブを形成し、米国はもちろんEU、他のアジア諸国とも共同で、朝鮮半島の平和と東北アジアの安定のために膝を突き合わせて模索すべき段階に来ていると思う。

鳩山:文大統領の考えを(近い考えを持つ李在明大統領が)行動に移せば、北朝鮮の態度の緩和を引き出せると思う。しかし、残念ながら高市首相は安倍首相を尊敬しているということから安倍路線を変えず、拉致問題が先だと主張し続けるだろう。

-文元大統領は退任後、外国には出ていないが、海外に行く計画はないのか。

文在寅:海外に出ることを控えているとか、そういう考えはまったくない。来年に『辺境から中心へ』という私の回顧録が米国で英語版に翻訳されて出版されるという。その時期におそらく米国に行くことになるのではないかと思う。行くことになれば、朝鮮半島の平和のために助力してくれそうな方々に会うつもりだ。

鳩山:日本語翻訳版もまもなく発売されると聞いている。出版されたら妻とともに必ず読むつもりだ。

梁山/イ・ジェフン先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/1236262.html韓国語原文入力:2025-12-24 07:00
訳D.K

関連記事