ハン・ドクス前首相の内乱首謀ほう助容疑の裁判で騒ぎを起こしたうえ、ユーチューブで裁判長を中傷したキム・ヨンヒョン前国防部長官の弁護人が、警察に告発された。
キム・ギョンホ弁護士は21日、キム・ヨンヒョン前長官の弁護人を務めるイ・ハサン、クォン・ウヒョンの両弁護士の告発状を瑞草(ソチョ)警察署に提出したことを報道機関に明らかにした。キム弁護士は「法廷は道化の遊び場ではない」として、「12・3非常戒厳という憲政破壊事態を断罪する歴史的裁判において、被告人側の弁護人であるイ・ハサンとクォン・ウヒョンは、法服を着た法律家ではなく、騒動を起こす扇動家へと転落した」と指摘。あわせて、両弁護士が19日にソウル中央地裁刑事33部(イ・ジングァン裁判長)の審理で行われたハン・ドクス前首相の裁判で大声を上げ、退廷命令に応じないなどの騒ぎを起こし、裁判を侮辱したとして、二人を法廷侮辱罪で告発したと明らかにした。キム弁護士は「この事件は司法システムに対するテロであり、法治主義というダムの破壊を狙った、計算された野蛮」だと批判した。法廷侮辱罪は、裁判所の裁判を妨害したり威嚇したりすることを目的として、法廷またはその付近で侮辱行為や騒ぎを起こした場合に成立する犯罪で、3年以下の懲役や700万ウォン以下の罰金に処されうる。
イ弁護士らは19日のハン前首相の裁判に証人として出廷したキム前長官に同行し、法廷で騒ぎを起こしたうえ裁判長の退廷命令も聞かなかったため、「15日の監置」を言い渡された。しかし、二人が監置裁判で自らの個人情報を明らかにしなかったため生年月日や住居地などが特定できず、ソウル拘置所への収監は行われなかった。イ弁護士らはその後、ユーチューブに出演し、「イ・ジングァン、あいつは死んだ」など卑語を交えた発言で、自身の監置を言い渡したイ・ジングァン部長判事を中傷した。
キム弁護士は、両弁護士が法廷で起こした騒ぎは「証人尋問を行わせないことを狙った、意図された戦略」だとし、「ユーチューブに出演して裁判長に対しておこなった殺害脅迫性の発言は、弁護人の弁論権ではなく暴力団の言語」だと述べた。キム弁護士は、イ弁護士らは「『ポピュリズム的法律ショー』が生んだ怪物だ。法廷は真実を扱う場所であって、ユーチューブの再生数を稼ぐためのセットではない」として、「司法府の権威を、大衆の怒りを刺激する燃料として使うこのようなやり方は、法的論理に代わってつるし上げと威嚇が支配する社会へと向かう急行列車」だと主張した。ソウル中央地裁もこの日の声明で、「法曹人として当然守るべき品位と責任をかなぐり捨てた者に対し、今後、関連法と手続きに則った適切な措置を取る予定」だと表明した。
キム弁護士は、市民を代理して尹錫悦(ユン・ソクヨル)夫婦を相手取って12・3内乱事態による国民の精神的被害に対する損害賠償を請求するなど、非常戒厳以降の局面で活発な活動を展開してきた弁護士だ。