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【社説】内乱特検は「対国民詐欺劇」演じたハン・ドクス前首相を徹底捜査すべき

登録:2025-08-21 00:45 修正:2025-08-21 09:39
ハン・ドクス前首相が19日午前、内乱特検の事情聴取を受けるためにソウル高等検察庁の庁舎に向かっている=リュ・ウジョン記者//ハンギョレ新聞社

 チョ・ウンソク内乱特別検察官(特検)チームは、ハン・ドクス前首相を22日に再度呼び出し、事情聴取を行うことを決めた。拘束令状の請求に向けた最後の事情聴取だとみられる。ハン前首相は、尹錫悦(ユン・ソクヨル)前大統領の内乱行為を黙認・ほう助した疑いが持たれている。特検は、同氏が12・3非常戒厳の宣布前に尹前大統領に国務会議の招集を提案したこと、事後に非常戒厳宣布文を作成、廃棄したことなどを、「内乱重要任務」を遂行したものとみている。ハン前首相はまた、戒厳当日の夜に「国民の力」のチュ・ギョンホ院内代表(当時)と電話で話していたことも明らかになっているが、これには国会による戒厳解除決議を妨害する意図があったことが疑われる。ハン前首相はこれらの容疑をすべて否定している。

 特検による捜査でこれまでに明らかになった結果だけをみても、ハン前首相は国民から許され得ない罪を犯してきた。「国民をだました罪」だ。ハン前首相はこのかん「国務委員とともに、戒厳が宣布できないよう(尹前大統領を)説得するために国務会議の招集を建議した」と主張してきた。国会と憲法裁判所で、まるで尹前大統領による非常戒厳宣布を阻止するために最善を尽くしたかのように証言した。しかし、チョ・テヨル前外交部長官は特検の事情聴取で、「(国務委員たちが)大統領を止めるために心を一つにしていた状況ではなかった」と語った。尹前大統領を止めようとした国務委員は誰もいなかったというのだ。ハン前首相はまた、戒厳文書を「後にスーツの裏ポケットから見つけた」と主張したが、戒厳当日の大統領室の防犯カメラ(CCTV)映像には、彼が戒厳関連文書を国務委員たちと共に見たり、他の国務委員の文書まで用意したりしている様子が捉えられていた。尹前大統領の内乱を止めるどころか、事実上共謀したも同然だったのだ。

 首相は「政府のナンバー2」として憲法を守る責任がある。しかしハン前首相は、市民が国会に駆けつけて身一つで戒厳軍に立ち向かい、国会議員が戒厳解除決議をあげるために塀を乗り越えている中で、憲政秩序を破壊しようとしていた尹前大統領を手助けした。にもかかわらず、国民の前では平然とうそをついた。彼が大統領権限代行として国会が選出した憲法裁判官の任命を拒否したり、大統領選挙を管理する責任を投げ捨てて「国民の力」の大統領候補になると主張したりしたのも、内乱に同調した自身の犯罪行為を隠すためだったと考えざるを得ない。国民に謝罪しても足りないところに「対国民詐欺劇」を演じたのだ。内乱特検はハン前首相を徹底的に捜査し、法の厳しい審判を受けさせるべきだ。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/1214296.html韓国語原文入力:2025-08-20 18:26
訳D.K

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