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「『内乱企画者』の元情報司令官、不正選挙捜査団長をやろうとした」法廷証言

登録:2025-07-25 01:18 修正:2025-07-25 07:59
ノ・サンウォン元情報司令官が今年1月24日朝、ソウル恩平区のソウル西部警察署からソウル中央地検に送致されている=キム・ヨンウォン記者//ハンギョレ新聞社

 尹錫悦(ユン・ソクヨル)前大統領の内乱首謀容疑の裁判で、「内乱の裏の企画者」といわれるノ・サンウォン元情報司令官が戒厳司令部で中央選挙管理委員会(選管)の不正選挙疑惑の捜査を担当する合同捜査本部の第2捜査団長を務めようとしていた、との証言が飛び出した。予備役であるノ元司令官は12・3戒厳のとき、情報司令部に所属する現役軍人で合同捜査本部を自ら設置するなど、背後で選管を捜査する計画を立てていたが、実際にこの捜査を指揮する捜査団長として名があがっていたとの主張が法廷でなされたのだ。

 ソウル中央地裁刑事25部(チ・グィヨン裁判長)の審理で24日に行われた尹前大統領の内乱容疑事件の裁判に証人として出廷した情報司令部のキム・ボンギュ大佐は、非常戒厳が宣布される1カ月ほど前の昨年11月9日にノ元司令官と初対面し、その席でノ元司令官に「私を団長と呼べ」と言われたと述べた。尹前大統領の弁護人に「ノ元司令官は実質的に団長だと言ったのか、便宜上団長と呼べと言ったのか」と問われると、キム大佐は「具体的には話していない。団長という表現を使った。自身が来てそのような役割をすると言っていた」と語った。

 キム・ヨンヒョン前国防部長官は昨年12月3日の非常戒厳当日、陸軍第2機甲旅団のク・サムフェ団長を戒厳司令部合同捜査本部の第2捜査団長、国防部戦作権転換TFのパン・ジョンファンTF長を副団長とする人事命令を試みたが、人事企画官の拒否で失敗に終わっている。第2捜査団は、ノ元司令官が非常戒厳宣布後に選管の不正選挙関与疑惑などを捜査することを目的として設置しようとしていた組織だ。

 尹前大統領の弁護人に「捜査団長と副団長がいるのだから(ノ元司令官は)手伝うという考えだったと解釈した方が正しいのではないか」と問われると、キム大佐は「(ノ元司令官が)序盤にだけ一時的に務めるという程度の話だったので」と答えた。

 ただしキム大佐は「ノ元司令官が序盤に捜査団長を務めると言ったのは確かか」とチョ・ウンソク特検チームに追及されると、昨年12月1日にノ元司令官と会った際、ノ元司令官が「ノ・テアク選管委員長に対して自ら担当する」と述べたことに触れつつ、「(ク団長とパンTF長を)団長、副団長に任命すると言い、自らがノ・テアクを直接(担当)すると言ったので、一時的に(団長を)やるのだと理解した」と述べた。

 特検チームに「ノ元司令官は実質的な捜査団長をやると言ったものの、予備役であり、国防部の一般命令で現役将軍が(団長に)予定されていることを知っていたので、ノ元司令官は(団長を)少しだけやってから辞めるのだと推測したということか」と問われると、キム大佐は「そう思った」と答えた。

 キム大佐はまた、情報司所属のチョン・ソンウク大佐とともに、昨年12月の非常戒厳の2日前に京畿道安山市(アンサンシ)のロッテリアで、ノ元司令官と選管の掌握などを事前に話し合った容疑(内乱重要任務従事および職権乱用権利行使妨害容疑)で中央地域軍事裁判所に起訴されている。

オ・ヨンソ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/1209823.html韓国語原文入力:2025-07-24 18:30
訳D.K

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