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「体内を流れる10万キロの赤い川」…血管が詰まれば命の川も枯れる

登録:2025-06-10 07:00 修正:2025-06-10 09:24
私たちの体の物流システムである血管が詰まってしまうと、酸素と栄養分の供給が円滑でなくなり、組織機能の低下や病気が発生する=ゲッティイメージーズバンク//ハンギョレ新聞社

 血管は私たちの体の物流システムだ。体内のすみずみまで伸びている血管の長さをすべて合計すると、10万キロメートルにのぼる。

 血管は、酸素と栄養分を各細胞と臓器に供給し、老廃物と二酸化炭素を回収して排出する通路の役割を果たす。当然、血管の健康は体全体の健康に直結する。血管が元気であってこそ、細胞は正常に機能し、各種の臓器と組織は活力を維持する。血管が狭まったり詰まったりすると、酸素と栄養分の供給が円滑に行われず組織機能の低下や病気を引き起こす。

 血管の健康に対する最大の脅威は、血管の壁に脂肪が蓄積して狭くなったり、血管の弾力が低下して固くなったりすることだ。このようにして血管が詰まったり機能が弱まったりすると、血液の循環に障害が発生する。体への酸素と栄養素の供給が不足し、老廃物の排出に支障をきたす。これは各種の臓器と組織の損傷につながり、病気のリスクを高める。心筋梗塞、脳卒中、認知症、狭心症、不整脈など命にかかわる疾患を引き起こす可能性がある。

■私の「血管年齢」は?

 血管の健康は、健康診断を通じて正確に把握できる。血管造影検査、血圧検査、動脈硬化度検査、血液検査、血管弾力度検査などを通して評価される。

 一人で行う簡単なテストで自分の血管の健康状態を推測できる。以下は医療関係者が提示する「血管年齢」のチェックリストだ。

1.階段を上がったり運動したりすると、胸に圧迫感を感じる。
2.インスタント食品や油っこい食べものをよく食べる。
3.電話のベルが鳴ったらすぐに出ないと気分がよくない。
4.運動らしい運動をしない。
5.手足のしびれや冷え症がある。
6.血圧が高い方だ。
7.コレステロール値が高い。
8.血糖値が高い。
9.家族の中に心筋梗塞や脳梗塞になった人がいる。
10.責任感が非常に強い。

 チェックリストのうち、自分に該当する項目が3個以下の場合、実年齢と血管年齢は同じとみなせる。血管が健康な人である確率が高い。この場合、地道に管理をきちんとすれば血管の健康を維持できる。

 該当する項目数が4~7個の場合、実際より血管年齢は10歳高いとみられる。今すぐ病気になることはないが、特別の注意が必要な状態だ。食習慣をはじめとする生活習慣の改善に気を配る必要がある。

 該当する項目が8個以上の場合は深刻な状態だ。血管年齢は実年齢より20歳以上高いとみなされるためだ。該当する人は病院に行って血管の健康をチェックすべきだ。家族歴まである場合は、さらに注意しなければならない。

■血管の若返りは可能

 年を取るほど血管も老いる。しかし、適切に管理をすることで、血管の老化を遅らせることはもちろん、血管年齢を下げることも可能だ。以下は専門家がすすめる血管の健康増進法だ。

○酒・タバコを遠ざける

 酒を多く飲むと、中性脂肪が蓄積して血管をさらに狭める。しかも、酒を飲むときには油っこいおつまみを食べることが多い。血管にとっては悪いことが重なるわけだ。血管年齢が高い人には、禁酒レベルの「節酒」が必要だ。

 タバコは血管の健康にとって致命的だ。喫煙は血管の内壁に損傷を与える。そこにコレステロールや不純物が付着すると、血管が狭くなったり固くなったりする。喫煙は血栓のリスクも高める。末梢血管の収縮と損傷も引き起こす。

○規則的な有酸素運動

 有酸素運動は血管の健康の役に立つ。適切な運動を30分以上続けると、体は血管についたコレステロールも燃料として使うためだ。最近注目されているゾーン2運動やスロージョギングも血管の健康に良い。自転車、早歩き、水泳なども同様だ。

○甘いものや塩辛いものではなく薄味で、魚も多く食べる

 塩辛い食べものは避けるようにする。なるべく薄味で食べることが望ましい。塩辛い食べものは、高血圧や動脈硬化症の確率を高めるためだ。甘い食品も同じだ。単糖類の過度な摂取は、肥満や異常脂質血症を招くことになる。飽和脂肪酸が多く含まれる食品も減らしたほうが良い。赤色の肉類や乳製品の摂取を減らすこと。肉が食べたいときは、青魚を食べるようにする。

○血管の「清掃」にいい食べものをよく食べるようにする

 血管をきれいにするうえで役に立つ食材を適切に摂取すれば、血管の健康が良くなる。代表的な食品としてはタマネギがある。タマネギに含まれるアリシンの成分は、一酸化窒素を排出し、血管をやわらかくしてくれる。キャベツは血管内の血栓の生成を抑制するタンパク質を活性化することで知られている。リンゴは血管の健康に良い代表的な果物に選ばれる。リンゴに入っている抗酸化成分であるポリフェノールは、有害な酸素による細胞損傷を抑制し、血中コレステロールの数値を下げる。

 ワカメや昆布のような海藻類も血管の健康を助ける。これらの食品に豊富なヨウ素成分は血液循環と老廃物排出を助ける。その他にも、ニラ、オーツ麦、ショウガ、ゴマ油、ミニトマト、ナッツ類なども、血管をきれいにするうえで役に立つ食品として知られている。

クォン・ボクキ|健康ハンギョレ企画委員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/hanihealth/healthlife/1200399.html韓国語原文入力:2025-05-31 08:24
訳M.S

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