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米国、関税交渉国を圧迫し「中国の孤立化に参加させる」戦略…韓国の負担増

登録:2025-04-17 09:14 修正:2025-04-17 09:34
15日、米カリフォルニア州オークランド港に停泊した船舶で、中国国旗の五星紅旗がはためいている=オークランド/AP・聯合ニュース

 米国が相互関税交渉の相手国に対し、迂回輸出防止を理由に中国の孤立化に参加するよう求める方針を固めたという報道が出た。米国との交渉を急ぐ韓国政府にとってさらなる負担が予想される。

 ウォール・ストリート・ジャーナル紙は15日(現地時間)、消息筋の話として、ドナルド・トランプ政権が交渉相手に相互関税の軽減を条件に、中国経済の孤立化に参加するという約束を取り付ける計画を立てたと報じた。約70カ国との交渉で、中国商品が相手国を経由したり、中国企業が超高率関税を避けるために相手国に拠点を移したりする行為を防ぐためだ。

 同紙は、中国の低価格工業製品を購入しないことも要求に含まれる計画だと報じた。 また、米国側が一部国家との初期対話で、中国に対する圧力の強化を取り上げたと伝えた。トランプ大統領は先日、放送番組でのインタビューで、各国に米国と中国の二者択一を求めることを考えていると述べている。

 この計画は、相互関税の引き下げ交渉を主導するスコット・ベッセント米財務長官の発案だという。各国を一つにまとめ、かつ対中国輸出統制の威力も高めるというのがベッセント長官の構想だという。来週のベッセント長官との会談に向け、近く出国する予定のチェ・サンモク副首相兼企画財政部長官とアン・ドックン産業通商資源部長官が、交渉の場で「対中国圧迫への参加」を求められる可能性が高まったわけだ。これに対し、匿名の韓国政府当局者は、「韓国の被害を防ぐために中国の迂回輸出を取り締まっているが、米国が対中国圧迫に協力することを交渉カードとして示したわけではない」と述べた。

 米国のこのような戦略は、高率関税賦課とともに孤立化を通じて中国に圧力を加えるための布石だが、相手国の経済主権を侵害する素地が大きい。高率関税をテコに中国企業の第3国への投資まで阻止しようとするのも極めて異例のことだ。特に、韓国はさらに深刻なジレンマに陥りかねない。中国(1330億ドル、約18兆8500億円)は昨年、米国(1277億ドル)を上回る韓国の1位輸出対象国であるくらい重要な貿易相手国だからだ。中国経済が失速した場合、中間財を中国に多く輸出する韓国企業は打撃を受けることになる。韓国政府と企業はすでに米国の半導体輸出統制政策などの影響で米中の板挟みで苦しんできた。

 この日、別の通商当局関係者は「米国が現在、具体的に韓国に(中国への圧迫と)関連した話をしたわけではない」としながらも、「対中牽制がアメリカファースト政策のかなりの部分を占めていることは知っているが、それについて言及するのは控えたい」と述べた。トランプ大統領が韓国との通商交渉について「ワンストップショッピング」と言及した状況で、中国に対する圧力を高めるよう求められた場合、韓国は困難な立場に追い込まれるものとみられる。

イ・ボニョン先任記者、パク・チョンオ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/1192784.html韓国語原文入力:2025-04-16 21:04
訳H.J

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