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「尹前大統領は忘れよう」…「内乱被告人」と距離を置く韓国与党の大統領候補たち

登録:2025-04-17 07:26 修正:2025-04-17 08:46
与党「国民の力」の大統領選候補を選ぶ予備選挙の書類審査を通過した候補たち。上列の左からキム・ムンス前雇用労働部長官、ナ・ギョンウォン議員、アン・チョルス議員、ヤン・ヒャンジャ前議員、ユ・ジョンボク仁川市長、イ・チョルウ慶尚北道知事、ハン・ドンフン前代表、ホン・ジュンピョ前大邱市長/聯合ニュース

 与党「国民の力」は、6月3日に行われる大統領選挙の候補を選ぶ第1次予備選挙への8人の進出者を16日に確定し、本格的な予備選レースに突入した。支持率の上位圏にあり、現在のところ「本選」進出の可能性の高い候補の多くは、尹錫悦(ユン・ソクヨル)前大統領の弾劾に反対した人々だ。強硬支持層だけでは大統領選挙で勝てないとの判断が共有される中、党内では、尹前大統領とは一線を引くべきだとの雰囲気が強まっている。

 国民の力の選挙管理委員会はこの日、キム・ムンス前雇用労働部長官、ナ・ギョンウォン議員、アン・チョルス議員、ヤン・ヒャンジャ前議員、ユ・ジョンボク仁川市長、イ・チョルウ慶尚北道知事、ハン・ドンフン前代表、ホン・ジュンピョ前大邱市長が予備選挙の書類審査を通過したと発表した。前日までに登録した11人のうち3人は脱落した。同党のファン・ウヨ選挙管理委員長は「予備選の候補申請者の競争力と適合するかどうかを審査し、国民の目線に合う資質を備えているかを綿密に検討した」と述べた。

 国民の力は、「国民世論調査を100%」(21~22日)反映する第1次予備選挙では半数の4人を選び、22日夜に第2次予備選挙への進出者を発表する。「4強戦」となる第2次予備選挙への進出者としては現在、キム・ムンス前長官、ホン・ジュンピョ前市長、ハン・ドンフン前代表が有力で、ナ・ギョンウォン議員、アン・チョルス議員が残りの1枠をめぐって熾烈(しれつ)な競争を繰り広げるとみられる。

 このうちハン前代表とアン議員は「弾劾賛成派」で、キム前長官、ホン前市長、ナ議員は「弾劾反対派」だ。ハン前代表はこの日、フェイスブックに「民意は尹意(尹前大統領の意向)より5千万倍重要だ」という文を二度も載せ、尹前大統領と距離を置くことを主張した。アン議員も「尹前大統領は離党すべきだと思うか」という記者団の質問に対し、「どのようなことが党と保守の再建のための良い選択なのか、(尹前大統領は)悩んでいると聞いている」と述べつつ、離党寄りの姿勢を示した。5人の中には入らないが、ユ・ジョンボク仁川市長はこの日、記者会見を行い、「いつまで『尹意』に頼って大統領選挙を戦うつもりなのか」、「もう尹前大統領のことは忘れよう」と述べた。

 「絶縁より恐ろしいのは分裂」(ユン・サンヒョン議員)と述べていた弾劾反対派にも、ムードの変化がみられる。ナ・ギョンウォン議員は「(尹前)大統領を予備選挙の真っただ中に引き入れるのは適切ではない。大統領に何度も言及するのもよくない」と述べた。ナ議員は罷免の翌日に尹前大統領と単独で面談してから大統領選への出馬を宣言しているが、当時は尹前大統領から出馬を勧められたとの報道を否定していなかった。

 ホン・ジュンピョ前大邱市長は今月14日に、「政治初心者、新しい顔を選んで3年間でめちゃくちゃになったではないか」と述べている。ホン前市長側はこの日、ハンギョレに「『政治初心者で3年間でめちゃくちゃになった』という言葉にすべてが含蓄されている」として、「大統領選挙の過程で尹前大統領と距離を置くつもり」だと語った。

 このような変化は、強硬支持層に訴えるだけでは大統領選を戦うのは難しいとの計算によるものとみられる。党指導部の関係者は、「哀悼期間は終わった。早期大統領選がせめて薄氷の勝負になるためには、『尹錫悦』を消さなければならない」と述べた。党の組織部の総長を務めるキム・ジェソプ議員はフェイスブックに、「(大統領選挙で勝つためには)罷免された前大統領と決別すればよい」と書いている。

 前日のホン前市長に続き、この日はナ・ギョンウォン議員、アン・チョルス議員、キム・ムンス前長官らが、不出馬を宣言したソウル市のオ・セフン市長と相次いで面談し、オ市長の掲げる「弱者との同行」を約束したのも、中道への拡張戦略の一つと読み取れる。

ソ・ヨンジ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/1192774.html韓国語原文入力:2025-04-16 19:10
訳D.K

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