尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が非常戒厳を宣布した後、3日夜と4日未明に国会本庁への進入を試みた陸軍特殊戦司令部(特戦司)と首都防衛司令部(首防司)などは、当時の作戦記録を残していなかったことがわかった。
軍関係者は5日、「兵力出動はキム・ヨンヒョン(当時国防部)長官が特戦司令官、首防司令官に直接指示して(出動が)行われたため、これらの部隊の参謀たちは状況について全く知らされず、関連の記録も探すのが難しいと聞いている」と語った。兵力が出動するとき、該当の部隊は状況日誌、作戦日誌を分単位で詳しく記録しなければならない。特別な状況が起きれば、別途詳報を作成する。
ところが、国会に出動した部隊の関係者は「キム・ヨンヒョン長官が直で司令官に口頭で指示し、司令部参謀の中でどの部隊がどこに行って何をしたのか把握している人がおらず、関連の記録も探すのが難しい」と語った。通常、合同参謀本部-司令部-該当する部隊の指揮系統を通じて上級部隊の作戦指示があれば、これを受けた部隊の指揮統制室が指揮部、参謀などに伝えて共有するが、今回はそうではなかったということだ。もし、合同参謀議長-戒厳司令官-司令部に作戦指示が下れば、参謀たちが共有し、関連記録も残るはずだが、当時戒厳司令官に任命されたパク・アンス陸軍参謀総長は、これらの兵力を全く統制できなかった。
今回の非常戒厳の際には、特戦司の707特殊任務団、第1・第3空輸(空挺)特戦旅団、首防司の軍事警察特任隊(SDT)などが動員された。彼らが属しているイ・ジヌ首防司令官、クァク・チョングン特戦司令官と、警察庁長に京畿道果川市(クァチョンシ)の中央選挙管理委員会の統制を要請したヨ・インヒョン防諜司令官は、まだ職に留まっている。この日、国会国防委全体会議で野党「共に民主党」のファン・ヒ議員は「内乱に準ずる戒厳に動員された指揮官を解任しないのか」とし、内乱罪を問われる証拠を隠滅し、2回目の非常戒厳を試みる可能性について懸念を示した。