今月末から地球の周りにもう1つの「月」が誕生する。直径がマンション3階分の高さよりも大きい小惑星が、2カ月間重力に引き寄せられながら地球の周囲を回り、飛び去る予定だ。
米国科学専門誌「スペース・ドットコム」や米国ニューヨーク・タイムズなどによると、天文学者らは地球に接近する小惑星「2024 PT5」が29日から11月25日まで地球の周囲を回り、太陽の重力が強くなる地点で宇宙に飛んでいくと予想している。学界は小惑星の大きさを直径約10~11メートルと推定している。
この小惑星は、地球から約420万キロメートル離れたところで周回する予定だ。地球と月の間の距離(約38万5000キロメートル)より10倍離れた距離で地球を回ることになる。また、地球の周囲を円形に周回する代わりに、馬蹄形の軌道を描くと予想される。
この小惑星は、米航空宇宙局(NASA)の「小惑星地上衝突最終警報システム」(ATLAS)による探知の結果、先月7日に発見された。NASAのジェット推進研究所のポール・ショダス氏は「月との衝突で飛び散った破片の可能性がある」とニューヨーク・タイムズに述べた。ただし、火星と木星の間の小惑星帯から来た場合もあるとみる学界の意見もある。
この「小さな月(ミニムーン)」を一般的な装置で観測することは難しいとみられる。この研究に参加したスペインの天文学者のカルロス・デラ・フエンテ・マルコス氏は「(この小惑星は)あまりにも小さく暗いため、一般的なアマチュアの望遠鏡でみるのは難しい」として、「天文学者が使う専門望遠鏡の明るさの範囲内にはある」とスペース・ドットコムに説明した。
天文学界では、数日あるいは数カ月間の短い期間の間に地球を周回する小惑星は10年に数回発生するほど頻繁にあるが、1年以上長く周回するケースは、10年あるいは20年に1回起きる程度だとみている。ニューヨーク・タイムズは、地球の周囲を回る小惑星に貴重な金属が含まれており、企業がいつの日か小惑星内の資源を採掘できることを希望しているとも説明した。