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■「北朝鮮の核」問題への対応は
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、昨年9月の北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長との首脳会談の際、非核化に触れることも、北朝鮮の核を容認するような発言もしなかった。ただし、3月13日の大統領選挙直前、自国メディアとの会見で「北朝鮮に核の傘を提供する用意があるか」という質問に、「朝鮮民主主義人民共和国は独自の核の傘を持っている。彼らはわれわれに何も要請していない」と答えた。公の場で北朝鮮を「核保有国」として認める初の発言だという分析が多かったが、「核の傘」を提供するつもりはないという意味ともとれる発言だ。
「北朝鮮の核」問題に関するプーチン大統領のより直接的・公式的な態度は、5月16日に中国の習近平国家主席と北京での首脳会談後に発表した共同声明に、「米国とその同盟国による朝鮮半島の緊張を高める動きに反対」すると共に「北朝鮮と関連国家の交渉過程再開の要求」を明示することで明らかになった。核をめぐり「交渉はない」という金正恩委員長に「交渉の再開」を求めたのだ。ある外交筋は「ロシア側の関係者は『朝鮮半島の非核化はロシアの揺るぎない路線』だとし、『北朝鮮との関係強化を核武装への賛成と取り違ってはならない』という話をよく聞く」と伝えた。核をめぐる朝ロ首脳の協議が公開されるかどうか、見守る必要がある。
■ 朝中ロ、豆満江河口をめぐる協力は
金委員長とプーチン大統領が、中国との関係設定、すなわち朝中ロ3カ国の協力問題に関してどんな話を交わすかも関心事だ。これに先立ち、プーチン大統領は5月に習近平主席とともに発表した共同声明で、「双方は豆満江(トゥマンガン)下流を航行する中国船舶問題と関連し、朝鮮民主主義人民共和国と建設的な対話を行うことにした」と明らかにした。
中国は北朝鮮と鴨緑江(アムノッカン)と豆満江を挟んで1334キロメートルに及ぶ長い国境を接しているが、東海(トンヘ)に流れる豆満江下流15~17キロメートル区間は、中国に法的権限のない朝ロの国境だ。中国が1860年の北京条約で帝政ロシアに60万平方キロメートルに及ぶ沿海州を奪われたためだ。中国は「借港出海」、すなわち港を借りて海に出る戦略を掲げているが、これまで東海に行く航路を開けていないのは朝ロの「非協力」のためだということを示している。中国が東海港を確保できるかどうかが、朝中ロ3カ国協力を計る試金石の一つに挙げられてきたのもそのためだ。今回の朝ロ会談で、中ロ会談での共同声明につながる「豆満江河口をめぐる3カ国協力案」が出るかを見守る必要がある。
ただし、金委員長とプーチン大統領が中国との「3カ国協力」に速度を上げようとしない可能性もある。金委員長は朝中国交正常化75周年を迎え、1月1日に習近平主席とともに「朝中親善の年」を自ら宣言したが、最近の朝中関係には「異常兆候」が見られる。北朝鮮が今年5月27日にソウルで開かれた韓中日3カ国首脳会議の共同宣言に対し、「乱暴な内政干渉」と非難する外務省報道官談話を発表したことや、プーチン大統領の訪朝時期に中国がソウルで韓国と次官級外交安保対話をすることがそれに当たる。
プーチン大統領が習近平主席と北京で会談を行った後、ベラルーシ(5月23~24日)→ウズベキスタン(26~28日)→北朝鮮(6月18~19日)→ベトナム(19~20日)を回りながら連続で二国間首脳会談を行うことについて、専門家たちは「従属傾向の強い対中国関係においてバランスを取ろうとする戦略的動き」であり、「北東アジアとインド太平洋地域で戦略的空間を確保しようとする試み」だとみている。北朝鮮、中国、ロシアの3カ国の思惑は依然として複雑だ。