大統領室は2日、北朝鮮の韓国に対する「汚物風船」の散布とGPSかく乱について、「北朝鮮にとって耐えがたい措置に着手することにした」と述べた。さらに「北朝鮮向け拡声器の放送再開問題も排除しない」と明らかにした。北朝鮮は同日夜、「紙くずとごみの散布行動」を暫定的に中断することを明らかにした。
国家安保室のチャン・ホジン室長はこの日午後、ソウル市龍山(ヨンサン)の大統領室で緊急の国家安全保障会議(NSC)常任委員会を開催した後の記者会見で、「北朝鮮の汚物風船の散布やGPSかく乱行為は、正常な国家では想像できない非常識かつ非理性的な挑発行為」であり、「国民の安全を脅かす挑発」だと規定し、「北朝鮮にとって耐えがたい措置に着手することにした」と述べた。
大統領室は、2018年4月の「4・27板門店宣言」以降は中断していた北朝鮮向け拡声器放送再開の可能性に強く言及した。
大統領室高官は「北朝鮮にとって耐えがたい措置の着手とは何か」について、「ごく近い期間内に具体化されるのを見ることになるだろう」とし、「北朝鮮向け拡声器の再開問題も排除しない」と述べた。政府は、北朝鮮向け拡声器放送が汚物風船によって韓国側が受けている不快さと同程度に北朝鮮を疲労させるという面から、放送再開が国際法上の自衛権行使の要件である比例性に合致すると判断したという。軍当局は2018年の放送中断後、拡声器の装置を解体した状態で保管しているが、放送再開が決まれば数日以内に放送が可能だとわかった。
北朝鮮向け拡声器放送を再開するためには、昨年11月の北朝鮮による偵察衛星発射後に韓国が一部効力を停止した飛行禁止区域以外にも、9・19南北軍事合意の効力をさらに停止しなければならない。4日の閣僚会議で、北朝鮮向け拡声器などを含め9・19合意の効力をさらに停止する手続きに進む可能性があることがわかった。
北朝鮮国防省のキム・ガンイル次官はこの日夜に発表した談話で、韓国に対する汚物風船の散布を暫定的に中断する方針を明らかにし、「ただし、韓国の連中が反共和国(北朝鮮)ビラの散布を再開した場合、発見される量と件数によっては、百倍の量の紙くずと汚物をふたたび集中散布することで対応する」と警告した。
北朝鮮は、先月28~29日に続き1日夜から2日午前まで汚物風船を720個ほど飛ばし、5日目となる2日には西海(ソヘ)の5島一帯でGPSかく乱を試みた。