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ネイバー出身の社内取締役が退任…「LINEヤフーの株式売却交渉」にかなりの進展

登録:2024-05-09 05:58 修正:2024-05-09 10:38
日本の新宿にあるLINEのオフィスの様子=日本語版LINE-HRのブログよりキャプチャー//ハンギョレ新聞社

 ネイバーとソフトバンクの「決別交渉」がかなり進展したことが分かった。8日に行われたLINEヤフーの決算説明会で、経営陣の改編をはじめソフトバンクとネイバーの両者間の持ち分見直し交渉が進んでいることが公開されたためだ。数カ月にわたり続いた日本の激しい「脱ネイバー」攻勢の中で、ネイバーが保有する株を適正価格でソフトバンクに売却できるかに注目が集まっている。

 LINEヤフーの出澤剛最高経営者(CEO)は、取締役会の改編を発表。取締役会は企業内の中核となる意思決定機構だ。現在より社内取締役を2人減らす一方、社外取締役を1人増やすのが主な内容だ。改編された取締役会では、ソフトバンク側の川辺健太郎会長と出澤社長だけが社内取締役を務める。唯一の韓国人の社内取締役であるシン・ジュンホ最高商品責任者(CPO)は退任が決まった。出澤社長は取締役会を改編した理由として、「経営と執行の分離」と「社外取締役の拡大を通じた独立経営体制の構築」を掲げたが、実状は経営陣からネイバー側の人物を追い出したわけだ。

 このような取締役会の変化は、ネイバー側とソフトバンク側間の「決別交渉」がかなり進んだことを意味する。両社はLINEヤフーの親会社であるAホールディングスの株式を半分ずつ保有している。ネイバーの同意なしにLINEヤフーの経営陣を改編することは不可能だ。

 決別の次は所有権の調整がある。ソフトバンクがネイバーの保有する株を買収することを骨子としたAホールディングスの持ち分見直しだ。出澤社長はこの日、両社の持ち分の見直し交渉が行われている事実を公開した。これを受け、市場の関心も株式売却の規模と価格へと急速に移った。

 ネイバーの事情に詳しいある関係者は「(重要経営事項である)定款の変更などを行うためには、特別決議の株式保有要件(議決権のある株式の3分の2)を満たさなければならない。これを念頭に置けば、ソフトバンクはネイバーの保有株式のうち少なくとも15%の獲得を目指すだろう」とし、「株買収の過程で支配権プレミアム(会社の株式を取得するにあたって、会社の支配権をも確保できる場合に、その支配権に着目して買収価格に上乗せして支払う付加価値)をめぐり、両側が激しい神経戦を繰り広げるだろう」と語った。

 Aホールディングスの価値は20兆ウォン(約2兆2700億円)を上回る。支配権プレミアムを除いたネイバーの保有分の価値だけで10兆ウォン以上になるわけだ。出澤社長がこの日、「安全なガバナンスの構築」、「行政指導にともなう要請」に言及したのは、セキュリティの強化と日本政府の行政指導をテコにネイバーの株式を安値で買おうとするソフトバンク側の思惑を示したものとみられる。これに対し、韓国の業界では、適正水準の支配権プレミアムを得られなければネイバーが売却交渉を中止する可能性もあるという話もある。

 ネイバー側は「中長期的な事業戦略に基づいて決める問題だ。内部的に検討している」とし、株式売却交渉については慎重な態度を示した。科学技術情報通信部のイ・ジョンホ長官は同日の記者懇談会で「ネイバーの経営的判断を尊重する」と述べた。9日に予定されたソフトバンクの決算説明会では、株式売却交渉と関連し、もう少し進展した内容が公開されるものとみられる。

チョン・ユギョン、イム・ジソン記者、東京/キム・ソヨン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/it/1139785.html韓国語原文入力:2024-05-08 23:16
訳H.J

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