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韓国の新国防相候補「全斗煥のクーデターは国を救おうとしたもの」

登録:2023-09-15 00:25 修正:2023-09-15 07:45
シン・ウォンシク国防部長官候補が13日午後、国会議員会館の議員室を出てきている/聯合ニュース

 シン・ウォンシク国防部長官候補が、全斗煥(チョン・ドゥファン)新軍部の主導した「12・12軍事クーデター」について、過去に「国を救おうとして行ったもの」だと擁護する主張を行っていたことが明らかになった。朴正煕(パク・チョンヒ)元大統領の5・16軍事クーデターのことも「革命」だと主張していた。

 14日にユーチューブチャンネル「シン・インギュンの国防TV」の動画を確認したところ、シン候補は2019年9月4日に同チャンネルの動画に出演し、「韓国軍、クーデターは可能か?」とのテーマでインタビューを受けている中で、このように語った。シン候補は「人は権力欲、独裁者などというが、朴正煕大統領が亡くなった空白期に『ソウルの春』(朴正煕暗殺事件翌日の1979年10月27日から1980年5月16日まで、全国で戒厳令撤廃、民主化を要求するデモが相次いだ時期)が起き、その当時(全斗煥氏は)国を救わなければならないと考えて出てきたと思う」と主張している。

 全斗煥氏は1979年の12・12軍事クーデターと1980年の5・18光州(クァンジュ)民主化運動の武力鎮圧を通じて政権をさん奪した容疑で拘束され、1997年4月に最高裁で反乱罪と内乱罪が確定し、無期懲役と追徴金2205億ウォンが宣告されている。その後、金大中(キム・デジュン)元大統領によって赦免されたが、元大統領に対する礼遇を剥奪された。

2019年9月4日、「シン・インギュンの国防TV」でインタビューに応じるシン・ウォンシク国防部長官候補(左)=同チャンネルより//ハンギョレ新聞社

 シン候補は全氏に対する評価に先立ち、朴正煕元大統領の5・16軍事クーデターについても、「政治法的にはクーデターだ」としながらも、「(韓国は)農業化社会から産業化社会へと変化したため、社会・経済・哲学的に革命」だと主張している。

 いっぽうシン候補は、2016年のろうそく集会については「大韓民国の自由民主主義を破壊し、大韓民国の継続性を破壊した反逆」だとの過激な評価を下している。シン候補者は2019年9月21日に釜山(プサン)で行われた太極旗集会で「2016年のろうそく(集会)は大韓民国の自由民主主義を破壊し、大韓民国の継続性を破壊した反逆であり、2019年の太極旗(集会)は大韓民国を復元する正義であり、憲法の命令」だと主張している。続けて「偽りの扇動にだまされて大韓民国を破壊するろうそくではなく、大韓民国を復元し、そのために文在寅(ムン・ジェイン)政権の反逆行為に対して正当な憲法にもとづく国民の抵抗権を行使するもの」だとも述べている。

 元陸軍中将のシン候補は、「初代悪魔盧武鉉(ノ・ムヒョン)」などの過去の乱暴な言辞で物議を醸している。シン候補は予備役将軍の身だった2019年7月、チョン・グァンフン牧師の祈祷会の現場で「今日の文在寅という悪魔を誕生させた初代悪人盧武鉉という者が大統領になったことで問題がはじまった」と述べている。同年8月の「文在寅政権糾弾集会」では「一握りにも満たない左派のゴミ文在寅」と述べており、9月21日の釜山での太極旗集会では、国連軍の仁川(インチョン)上陸作戦成功記念日(9月15日)に言及しつつ、「6日前に国連軍が仁川上陸作戦に成功したため、文在寅の首を取るのは時間の問題だ」とも述べている。

 野党からは、シン候補者の軍事クーデター擁護発言について「危険な歴史観」だとの批判の声があがっている。共に民主党のパク・クァンオン院内代表はこの日、国会で開かれた政策調整会議で「12・12軍事クーデターを国を救ったものだと言い、5・16軍事クーデターを革命だと言うという、すでに歴史的評価と憲法的判断が下されている事実さえ否定する危険な歴史観を持っている」とし、「全斗煥勢力の復活、ハナ会の復活かという国民的怒りは強い。この歴史観に尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は同意するのか問いたい」と述べた。

イ・ユジン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/1108501.html韓国語原文入力:2023-09-14 11:49
訳D.K

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