世界を驚かせたロシアの軍事反乱の試みが大きな衝突もなく早期終了したことで、今回の劇的なドラマの主役である「ワグネル」の去就に関心が集まっている。
今回の反乱に参加したワグネルの隊員たちは免罪符をもらう条件で自主撤退に同意したため、これから身の安全を脅かされることはないものとみられる。現地メディアの報道によると、彼らは25日現在、大半がロシア南部のミレロボ軍飛行場に滞在しているという。しかし、最高責任者のエフゲニー・プリゴジン氏がベラルーシに亡命した後も、組織がそのまま維持されるかどうかは不透明だ。組織が生き残ったとしても、有力な後見人を失い、ロシア国防省など外部の干渉と介入に弱くなる可能性もある。
ロシアのセルゲイ・ショイグ国防相は最近、ワグネルを含む私的武力集団に来月1日までに国防省と契約を結ぶよう通知した。当時、プリゴジン氏はこれに対して、ワグネルを国防省の傘下機構に編入する意図だと強く反発していた。これに対し、クーデター騒ぎが終わった後、クレムリン(ロシア大統領府)のドミトリー・ペスコフ報道官は「反乱に参加していないワグネルの隊員たちは依然として国防省と契約を結ぶ資格がある」と述べたが、反乱に参加した隊員たちについては何も言及しなかった。
事実、モスクワ当局にとってワグネルの処理は容易ではない問題だ。ワグネルはウクライナ戦争において、士気が低下し訓練も足りない正規軍よりも優れた戦闘力を示しているという。特に最近、ウクライナ軍が大規模な反撃作戦に出ており、ワグネルのような有能な戦闘員たちがさらに必要な状況だ。
ワグネルは現在、アフリカなど様々な国にも派遣され、軍事活動を通じてロシアの外交を側面支援する非公式の任務も遂行している。ワグネルを解体するためには、彼らが派遣された国との外交関係に問題が生じないよう政策の代案を用意しなければならない。ワグネルが市民の歓迎を受けたこともロシア政府にとっては負担になる。ロストフナドヌーの市民はワグネルの隊員たちに声援を送る一方、ワグネルが撤退した後に現れた警察にはブーイングをした。
だからといって、反乱の主軸であるワグネルに何事もなかったかのように、以前と同じく接するわけにもいかない。これに対してロシア議会の国防委所属のアンドレイ・カルタロフ議員は「ワグネルは命令に従っただけで、(自ら進んで)過ちを犯したわけではない」と擁護した。カルタロフ議員はワグネルの法的地位をどうするかについて議論しなければならないとし、「彼らの武装を解除して解散することはNATO(北大西洋条約機構)とウクライナを有利にするだけだ」と述べた。