ロシアの傭兵集団ワグネル・グループの創設者、エフゲニー・プリゴジン氏は、ウクライナ侵攻戦争に強く臨まなければロシアは「革命の渦」に陥りうると主張した。
プリゴジン氏は23日(現地時間)深夜、SNS「テレグラム」で公開したロシアの政治戦略家コンスタンティン・ドルコフ氏とのインタビューで、ロシアの支配階層が戦争にのんびり対応していると、内部分裂で革命が発生する恐れがあると述べた。ロイター通信などが24日に報じた。同氏は「エリート層の子どもたちが太陽の下で尻を振っている中で、一般のロシア人は子どもたちをトタンで作られた棺に入れている状況がこれ以上続けば、このような不均衡は1917年のように結局は革命で終わるだろう」と語った。そして「まず軍人たちが立ち上がり、続いて彼らの愛する人々が立ち上がるだろう」と付け加えた。
プリゴジン氏は、西洋は戦争に疲労を感じ、中国は平和交渉を仲裁するだろうという楽観的な見方があるが、自分はそのようなことは信じないと述べた。同氏は、ウクライナは2014年3月のロシアによるクリミア半島併合の前の状態に戻すために反撃を準備しているとし、ウクライナ軍はワグネルの統制下に入った東部ドネツク州バフムトを包囲する一方、クリミア半島を攻撃するとの見通しを示した。同氏は「このようなシナリオはロシアにとって好ましくないため、我々は非常に厳しい戦争を準備しなければならない」と強調した。続けて「ロシアをも失いかねない状況に置かれているだけに、戒厳令を宣言する必要がある」と主張した。
プリゴジン氏は、昨年2月末にロシアがウクライナに侵攻して以降、最も激しい戦闘が繰り広げられているバフムトにワグネルを前衛部隊として投入し、先日同地の占領に成功した。同氏は、この過程でロシア軍部がまともに弾薬支援などを行わなかったため莫大な兵力の損失を被り、これまでの戦死者の規模は1万人ほどだと語った。これはワグネルが戦争中に募集した5万人の傭兵の20%に当たる。プリゴジン氏は、ロシア正規軍も10カ月ほど続いたバフムトの戦いで1万人ほどの兵力を失ったと付け加えた。同氏は、バフムトで戦死したウクライナ軍は5万人ほどで、負傷した兵士も5万人ほどとの推定を示した。
AP通信の指摘によると、同氏が明らかにしたロシア側の戦死者数は政府が公式に発表したものよりはるかに多く、米国の推定値に近い。ロシア軍は昨年2月末から今年1月までに6千人の自軍兵士が戦死したと主張している一方、米国は昨年12月以降に戦死した兵士だけで2万人に達し、戦死者総数は10万人ほどとみている。
プリゴジン氏はこの日も、ロシアのセルゲイ・ショイグ国防相とロシア軍のワレリー・ゲラシモフ参謀総長を交代させるべきだと主張するなど、軍首脳部に対する攻撃を続けた。同氏は「私は祖国を愛し、プーチン大統領に奉仕しており、ショイグは審判を受けなければならない」と強調した。