全斗煥(チョン・ドゥファン)氏の妻のイ・スンジャ氏が、今年3月に光州(クァンジュ)を訪ね、5・18民主化運動への弾圧の被害者と遺族の前で謝罪した孫のチョン・ウウォンさんに「身の程もわきまえず出しゃばるな」と述べていたことが分かった。
9日午後9時に放映された文化放送(MBC)の番組「PD手帳」第1373回「全斗煥の隠し財産、チョン・ウウォン母子の告白」編では、イ氏と孫のウウォンさんのカカオトークでのやりとりが公開された。先月19日にウウォンさんは祖母のイ氏に会うために延ヒ洞(ヨンヒドン)のイ氏の自宅を訪ねたが、家の中からは何の反応もなかった。イ氏に電話をかけてみたものの、出なかった。そこでウウォンさんは「愛しています、おばあさん」とショートメッセージを送った。
その後、ウウォンさんのもとにはイ氏から返事が送られてきたが、そこには「麻薬に手をつけるだけでは足りず、おじいさんの顔に泥を塗るのか。5・18の時に生まれてもいないお前が身の程もわきまえず出しゃばっていないで、自分のことの後始末でもしろ」と記されていた。
ウウォンさんは3月31日、光州5・18記念文化センターを訪ね、5・18民主化運動に対する弾圧の被害者と遺族の前でひざまずいて謝罪し、全斗煥一家の中で初めて国立5・18民主墓地を訪れた。この時、ウウォンさんは自分の着ていた黒いコートを脱いで墓碑をふいたことが話題になってもいる。イ氏のメッセージは、このようなウウォンさんの行為を念頭に置いた発言だと解釈される。
一方、この日の放送ではウウォンさんの母親であり全斗煥氏の次男チョン・ジェヨン氏の前妻であるCさんが登場し、「全斗煥秘密資金」についての自身の記憶を打ち明けた。結婚生活15年の間、延ヒ洞の家を頻繁に出入りしていたというCさんは、「延ヒ洞の家の地下に金庫室があり、部屋のドアには銀行の大型金庫のような金属のハンドルがついていた」とし「(金庫室は)四方が床から天井まで本棚のようになっていて、そこにお金がぎっしり詰まっていた記憶がある」と主張した。
そして「義父(全斗煥)の書斎にはお金を数える機械があり、嫁3人で新札と旧札を混ぜて100万ウォンずつに束ね、それをまた1000万ウォンの束にする作業を一緒にしたことが何度かある」と付け加えた。Cさんは、秘密資金を探すための捜査当局の家宅捜索のニュースが聞こえてくるたびに、家にある現金を片付けるために親戚がやって来て、カバンや紙袋に現金を入れて持ち帰る場面も多く見たと語った。
Cさんの主張について、チョン・ジェヨン氏はこの日の放送で「当時秘密資金がなかったと言っているわけではない」としつつも、「幼い嫁の前でそんなもの(金庫室など)を見せたはずがない。彼らが主張するように、そのように積み重ねたものを目撃したとか、そんなものは(なかった)」と反論した。