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日本政府、EUに「福島産農水産物の輸入規制撤廃」の要求強化

登録:2023-04-13 06:05 修正:2023-04-13 07:18
渡辺博道復興相(写真中央)は11日、復興庁でドイツのクレーメンス・フォン・ゲッツェ駐日ドイツ大使に会い、福島産農水産物輸入規制の撤廃を求めた=復興庁ホームページよりキャプチャー//ハンギョレ新聞社

 日本政府が欧州連合(EU)に対して福島産農水産物の輸入規制の解除を強く求めているという。今夏に予定されている福島原発汚染水の海洋放出の開始を控え、福島産農水産物の「輸入規制撤廃」の流れを作り、安全性を浮き彫りにする狙いがあるとみられる。

 毎日新聞は12日付で、渡辺博道復興相が最近、EU加盟国のフランスとドイツの駐日大使と相次いで面会し、福島産農水産物に対する輸入規制の撤廃を求めたと報じた。

 渡辺復興相は7日にフランスのフィリップ・セトン駐日大使、そして11日にはドイツのクレーメンス・フォン・ゲッツェ駐日大使に会い「日本国内で放射性物質に関するモニタリング検査を実施し、基準値を超えた食品が流通することはない」として、安心していいという趣旨で説明した。渡辺氏は「EUが規制措置を講じていること自体が風評被害につながっており、規制を撤廃して被災地に希望を与えてほしい」と訴えた。氏の言う「風評被害」とは、2011年3月の福島原発爆発事故後、福島が「放射性物質の汚染地域」と認識され、福島農水産物が敬遠されていることをいう。

 EU加盟国は一律に福島産の一部の水産物や野生キノコ類などに対し、放射性物質検査証明書の添付を求めている。EU加盟国27カ国で規制がなくなれば、日本にとってはかなりの成果になる。同紙は「5月の主要7カ国首脳会議(G7広島サミット)を前に、規制撤廃を目指すとともに、政府が今年春から夏ごろと見込む、福島第1原発にたまり続ける処理水の海洋放出に理解を求める狙い」だと報じた。渡辺氏は大使らに福島原発汚染水の海洋放出についても安全性を説明した後、「懸念することは全くない」と述べた。

 農林水産省の資料によると、2011年3月の福島原発爆発事故以降55カ国・地域で輸出規制措置を取ったが、現在は12カ国・地域のみ。福島県など一部地域を対象に輸出する際、放射性物質検査証明書を求めるのがEUやアイスランド、ノルウェー、スイス、ロシアのなど7カ国・地域だ。

 最初から輸入を禁止してたのは韓国、中国、台湾、香港、マカオの5カ国・地域で、主に日本の周辺国だ。このうち台湾は昨年2月、福島および近隣の群馬や茨城など5県で生産された食品と農水産物に対する輸入禁止措置を解除した。キノコ類をはじめとする一部品目に対する制限措置だけを維持している。輸入禁止など厳しい規制は4カ国・地域だけで行われている。日本政府は、比較的厳しい規制がなく日本から離れているEUなどを攻略した後、「規制撤廃」の流れを作る形で韓国に圧力をかける可能性もある。尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が韓日関係改善のために事実上「一方的な譲歩外交」をする隙を狙って、水産物の輸入禁止問題を日本に有利に解決すべきという日本国内の雰囲気もある。

 韓国は福島と福島近隣の群馬や栃木など8県のすべての水産物の輸入を禁止している。農産物も福島など15県のコメや茶葉、きのこ類など27品目の輸入を禁止している。特に韓国は、2019年4月、福島水産物の輸入禁止措置が不当だとして日本政府が提起した世界貿易機関(WTO)訴訟で勝訴した。

東京/キム・ソヨン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/1087570.html韓国語原文入力:2023-04-13 02:31
訳H.J

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