韓国では今後、実際の居住地が住民登録上の住所と異なっていても、居住地で社会保障給与を申請できるようになる。低所得層の医療費負担を軽減するための災害的医療費支援の対象は、すべての疾患へと拡大される。
保健福祉部は27日、このような内容をそれぞれ盛り込んだ「社会保障給与の利用・提供および受給権者発掘に関する法律」(社会保障給与法)改正案、「災害的医療費支援に関する法律」(災害的医療費支援法)改正案など、16の福祉部所管法案が国会本会議で可決されたと発表した。
社会保障給与法改正案は、これまで社会保障給与が申請できるのは「支援対象者の住所の地」の住民センターなどのみとしていた条項を見直し、住民登録上の住所と実際の居住地が異なっていても現居住地で給与が申請できるようにした。政府と地方自治体はSKテレコム(SKT)・KT・LGU+などの国家基幹通信事業者に支援対象者の電話番号の提供を要請できるとする内容も改正案に盛り込まれた。
政府は今回の改正により、昨年8月、水原(スウォン)に住む母娘3人が住民登録上の住所と実居住地が異なったため福祉サービスを受けられず生活苦で死亡した事件のように、危機に直面している支援対象世帯として発掘されても、実際の居住地と住民登録上の住所が異なるため所在把握ができない事例が減るものと期待している。改正法は公布の6カ月後に施行される。
改正災害的医療費支援法は、外来診療を受ける際の災害的医療費の支援対象をすべての疾患へと拡大する。韓国国内に代替可能な製品がない希少疾患の診断機器や、治療を目的とする機器の購入費用についても、災害的医療費の申請が可能になる。従来はがん・脳血管疾患・心臓疾患などの重症疾患にのみ支給されていた。災害的医療費は本人負担上限制の適用されない治療費や保険が適用されない診療費などの医療費総額が年所得の一定割合を超過した際に、所得水準に応じて総額の50~80%を補助する制度。同改正法は公布日に施行される。