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韓国、暖房用ガス輸入急増、輸出は低迷の2月…オーストラリアのガス輸出統制に不安

登録:2023-02-22 05:49 修正:2023-02-22 08:26
/聯合ニュース

 今月1日から20日までの韓国の貿易赤字が8兆ウォン(約8200億円)に近づき、貿易収支の悪化傾向が続いている。特に最近になり、暖房用ガスの輸入額が雪だるま式に増加し、今年の貿易収支の悪化の中心的な要素として作用している。中国のリオープニング(経済活動再開)にともなうガス需要の増加や、韓国の主要なガス輸入国であるオーストラリアの輸出統制などを受け、ガス発の貿易収支の悪化は当面続くだろうという懸念も出ている。

 21日、関税庁によると、2月1~20日の輸出額は335億4900万ドルで、前年同期に比べ2.3%減少した。操業日数を考慮した1日平均の輸出額は前年同月比で14.9%減り、減少幅がさらに広がった。昨年10月から今月まで輸出が5カ月連続で後退する可能性が強まったわけだ。主力輸出品目である半導体(-43.9%)や携帯電話などの無線通信機器(-25%)はもちろん、主な貿易国である中国への輸出(-22.7%)も2桁の減少傾向を示しており、不振が続いている。

 その反面、同期間の輸入額は395億3600万ドルで、前年同期比で9.3%増加した。品目別では、外国から購入したガスの輸入額が39億3500万ドルで、前年比81.1%も急増し、輸入の増加傾向を主導した。別のエネルギー源である原油と石炭の輸入額の増加率が、同期間でそれぞれ7.6%と11.2%だったことに比べると、異例の増加幅だ。

輸入(2/1~20)。左列から主要品目、金額(単位:100万ドル)、増加率(前年同期比%)。主要品目は上から原油、ガス、半導体、石油製品、機械類、石炭、半導体製造装置、精密機器、乗用車、無線通信機器=関税庁提供//ハンギョレ新聞社

 ガスの輸入額は、今年1月には前年比の増加率が6%を記録したが、わずか1カ月で増加幅が大幅に広がった。産業通商資源部の関係者は本紙の電話取材で「前年比でガス単価が上がったうえ、今年2月は昨年2月より寒かったため、ガスの輸入量も大幅に増加した」と述べた。今月に入り20日までのガス輸入額は、主要輸入品目のうち原油(53億7900万ドル)に次ぐ2位を占めた。

 これにともない、2月1~20日の輸出額から輸入額を引いた貿易収支は59億8700万ドルの赤字を記録した。昨年同期比で41億ドルほど増えた規模だ。今年に入り今月20日までの累積貿易赤字は186億3900万ドルで、前年の同期間(69億8400万ドル)に比べ2.7倍拡大し、12カ月連続で貿易赤字を記録する可能性が高まった。

 韓国の貿易収支改善の見通しは不透明だ。輸出がいまだ反騰の兆しを示しておらず、輸入額の増加をうながす対外変数も少なくないからだ。最近になり経済活動を開始した中国のガス需要の増加やオーストラリアのガス輸出規制などによって、国際ガス価格が再び揺れ動く余地もある。

 世界3大液化天然ガス(LNG)輸出国の1つであるオーストラリア政府は9日(現地時間)、LNG輸出統制のための指針(ガイドライン)を公開した。オーストラリア国内で使うガスを確保するため、必要に応じて政府が輸出を制限するという趣旨だ。英国紙「フィナンシャル・タイムズ」によると、韓国のLNG輸入に占めるオーストラリアの割合は22%を越える。オーストラリア産LNGは、主に長期契約を結んで運んでいることを理由に、輸出規制が当面の需給に及ぼす影響は大きくないというのが韓国政府の立場だが、ガス供給の縮小にともなう国際天然ガス価格の不確実性が高まったわけだ。

パク・チョンオ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/1080581.html韓国語原文入力:2023-02-21 14:39
訳M.S

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