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「今度は米国が『済州4・3』の責任認め、謝罪すべき」

登録:2022-12-12 02:01 修正:2022-12-12 09:20
12月8日に米国ワシントンのウィルソン・センターで開催された「済州4・3と人権、そして韓米同盟」と題するシンポジウムで、済州4・3平和財団のコ・ヒボム理事長が開会の辞を述べている=ワシントン/イ・ボニョン特派員//ハンギョレ新聞社

「済州4・3と人権、そして韓米同盟」テーマに 
コ・ヒボム理事長「遺族の苦しみは今も続く」

 「米国は今や4・3の真実と向き合う時であり、そのことが韓国と米国の関係を健全かつ強固なものにするでしょう」

 済州4・3事件に対する米国の責任を問い、謝罪を通じて過去を克服することを求めるシンポジウムが、米国の首都ワシントンで開催された。済州4・3平和財団、済州特別自治道、米国のシンクタンク「ウィルソン・センター」が8日(現地時間)に共催した「済州4・3と人権、そして韓米同盟」と題するシンポジウムでは、韓米の参加者から、4・3に対する米国の関与と責任は否定できず、「韓国政府の真相調査と謝罪、補償、再審を通じた無罪判決が実現された状況なので、今度は米国が取り組む番」だという声が相次いだ。

 4・3財団のコ・ヒボム理事長は、この日の開会の辞で「4・3は74年前に米軍政の管轄下で、政府樹立後は米国の軍事顧問団の統制下で行われた」とし、3万人が命を失い、14万人の遺族が今日に至るまで非常に苦しんでいると語った。同氏は続けて「済州道民と遺族は、4・3と直接の関係がある米国はいかなる姿勢をとっているのか問うている」とし、米国が4・3の真実と向き合えば韓米関係はより強固に発展しうるだろうと語った。

 これまで行われてきた真相調査では、4・3の悲劇的な展開の過程で米国が直接的、間接的に大きな役割を果たしたことが明確に立証されている。1948年8月15日の大韓民国政府樹立以前、米軍政は韓国に対する政治的、軍事的統制力を完全に握って武力鎮圧を導き、以降は駐韓米国臨時軍事顧問団長ウィリアム・ロバーツ将軍らが「1948年11月討伐」などの焦土化作戦を激励し、韓国の軍と警察を後押しした。

ホ・ホジュン博士「米軍政による介入の証拠は明確」 
ジョン・メリル元北東アジア局長「埋もれた歴史」 
スティーブンス元大使「米大統領は済州訪問を」 
ムン・ジョンイン教授「米国は前向きな態度が必要」

12月8日に米ワシントンのウィルソン・センターで開催された「済州4・3と人権、そして韓米同盟」と題するシンポジウムで、イ・ソンユン教授(左端)、本紙のホ・ホジュン先任記者(右端)らが討論している=ワシントン/イ・ボニョン特派員//ハンギョレ新聞社

 米国タフツ大学のイ・ソンユン教授は、討論セッションで「韓米同盟は民主主義体制、平和、自由、正義という価値と信念の共有を基盤とする真に特別な同盟」だとしつつ、「しかし74年前、米国は民主主義、人権、平和、正義に反する事件(4・3)を監督した」と指摘した。4・3の基本的背景と米国の責任に関して、4・3財団のヤン・ジョフン元理事長は「悲劇の根源は米国とソ連が引いた38度線であり、犠牲者はこの線を取り払うために5・10単独選挙に反対したという理由で残酷に殺された」と語った。

 「4・3」をテーマとして初の政治学博士号を取得し、『4・3、米国に問う』を著した本紙のホ・ホジュン先任記者も、4・3の初期から米軍政が済州道駐留の米軍の指揮官に送った電文で「済州道の破壊分子を除去し、法秩序を回復するために、韓国の警備隊を貴官の任意で使用せよ」と指示するなど、多くの証拠が米国の責任を示していると語った。同記者は、良民に対する大量虐殺が行われている間に、米国は韓国軍に対する作戦統制権を握っている状態で「積極的な作戦」を督励してもいると指摘した。

 参加者たちは、第2次大戦後、冷戦が始まる局面において様々な国で発生した大量虐殺事件の中でも、その残酷さを考えれば4・3が「最も注目されず忘れ去られた事件」だということに同意した。米国が責任を否定する中、韓国政府が国家保安法と連座制によって被害者と遺族を徹底的に抑圧したからだ。元米国務省情報調査局北東アジア局長のジョン・メリル氏は「4・3は埋もれた歴史だ。(米国にとっては)とても当惑する事件なので、誰もそれについて記録することを望まなかった」と述べた。4・3で祖父と父親の2人の兄弟が犠牲になった在米4・3記念事業・遺族会のヤン・スヨン代表も「1980年代になっても犠牲者の家族は連座制で苦しめられた」と述べ、自身のつらい家族史を紹介した。

12月8日に米ワシントンのウィルソン・センターで開催された「済州4・3と人権、そして韓米同盟」と題するシンポジウムのラウンドテーブル討論で、ムン・ジョンイン理事長(左から2番目)が発言している=ワシントン/イ・ボニョン特派員//ハンギョレ新聞社

 この日の討論の結論は、米国は事実を認め、被害者に謝罪すべきだというものだった。韓国と縁の深いキャスリーン・スティーブンス元駐韓米国大使は、1970年代に済州道を訪れた際には4・3の話を聞くことはできなかったとし、「私たちは今や、何らかを語らなければならない」と述べた。イ・ソンユン教授も、バラク・オバマ大統領が2016年5月に米国内の一部から反発される可能性もある中で、安倍晋三首相とともに被爆地である日本の広島を訪問した例をあげつつ、「米国の議員や副大統領、そしていつか大統領が4・3平和公園を訪問すれば、歴史はそれを道徳的行為と判断するだろう」と提案した。スティーブンス元大使も、1996年にビル・クリントン大統領が済州島を訪問した際に機会を作れたかもしれないのに残念だと語った。ヤン・ジョフン元理事長は「4・3は世界で歴史問題の解決の模範になりつつある」として「残されているのは米国の謝罪」だと語った。

 4・3と韓米同盟の未来を共に議論したラウンドテーブルでは、済州道出身でもある世宗研究所のムン・ジョンイン理事長が、1948~49年に済州道で起きたことは「米国が時々その理想通りに行動できない」例のひとつだとし、米国の前向きな態度が必要だと語った。

ワシントン/イ・ボニョン特派員、写真/済州4・3平和財団提供 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/america/1071137.html韓国語原文入力:2022-12-11 19:26
訳D.K

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