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「K-POPの虐待」…米紙、アイドル搾取・芸能事務所のパワハラ取り上げた記事掲載

登録:2022-12-06 01:21 修正:2022-12-06 07:42
「オメガX」の所属事務所代表のパワハラ論議を集中的に取り上げた=ニューヨーク・タイムズよりキャプチャー//ハンギョレ新聞社

 米国のニューヨーク・タイムズが4日(現地時間)、所属事務所の代表に暴行とセクハラを受けたとして告発したアイドルグループ「オメガX」をめぐる物議と共に、韓国芸能事務所の搾取をめぐる議論を集中的に取り上げた。

 ニューヨーク・タイムズ紙は「ロサンゼルスのホテルでの口論以後、再び注目されるK-POPの虐待」という見出しの記事で、「10月に米国ロサンゼルスのホテルで起きたオメガXの所属事務所代表の暴言・暴行事件が、韓国の芸能事務所が若いミュージシャンを搾取しているのではないかという懸念を再び呼び起こした」と指摘した。

 これに先立ち、オメガXの初の海外ツアーが終わった後、当時所属事務所代表のA氏がロサンゼルスのあるホテルでメンバーたちを怒鳴りつけ、メンバーのキム・ジェハンを押し倒す場面が市民のカメラに撮られ、韓国メディアでも報道された。

 ニューヨークでのオメガXのイベントでメイクを担当したジジ・グラナドス氏は同紙に「(A氏が)メンバーたちを怒鳴りつける場面を見た」とし、「誰にもそのように怒号を浴びせてはならない」と語った。

 その後、米国から自費で帰国したオメガXのメンバーたちは記者会見を開き、A氏が飲み会を強要し、常習的にセクハラ発言をしたうえ、メンバーたちの太ももや手、顔を無理やり触ったり、日常的に暴言を浴びせたと暴露した。

 これに対し、A氏はニューヨーク・タイムズとの電話インタビューで、「メンバー全員に対して、母親のように面倒を見てきた」としたうえで、「ロサンゼルスのホテルでキム(ジェハン)さんが床に倒れたのは、自ら倒れたもの」だと反論した。A氏はメンバーたちの他の暴露内容も否定し、彼らがより大きな事務所に移るため、自分を「魔女狩りした」とも主張した。

所属事務所代表のパワハラが物議を醸しているオメガXのメンバーたちが11月16日、ソウル瑞草区弁護士会館で開かれた記者会見で挨拶をしている/聯合ニュース

 ニューヨーク・タイムズは「一部の芸能事務所、特に小規模な芸能事務所が、K-POPアイドルになることを夢見る若いアーティストの行動を厳しく統制し、時によっては言語的、身体的虐待を加えることで、日常的に搾取している」という専門家の話を引用して報じた。

 オーストラリアのカーティン大学の研究員で、アジア大衆文化専門家のチン・リー氏は「1990年代以後、搾取の程度が体系化し、日常化した」とし、「K-POPが世界的な人気を博し、より多くの若者がそのシステムの中に吸い込まれているため」だと指摘した。

 ニューヨーク・タイムズは芸能事務所とアイドルミュージシャンの契約問題があまり注目されておらず、契約締結時点にはほとんどが未成年者であるため、より一層「乙(弱者)」になりやすいと分析した。

チョン・ヒョクチュン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/1070210.html韓国語原文入: 2022-12-05 14:33
訳H.J

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