第3四半期(7~9月)の世界のDRAM売上高が直前の四半期(第2四半期)に比べて28.9%減少したと推定された。2008年の金融危機以降、四半期基準の減少幅が最も大きかった。主要半導体メーカーがこれに対応し、減産および投資の縮小計画を相次いで出している。
17日、市場調査機関トレンドフォースによると、第3四半期の世界のDRAM売上が181億9千万ドルで、前期より28.9%減少したと推定された。家電製品の需要が減り、DRAM価格が10~15%下落したのが主たる要因だという。サーバー用DRAMの在庫が増え、需要が鈍化したことも要因として挙げられた。
DRAM上位3社の中では、サムスン電子の第2四半期に比べた第3四半期の売上減少幅が33.5%(74億ドル)で最も大きかった。SKハイニックスは25.2%(52億4000万ドル)、米マイクロンは23.3%(48億1000万ドル)減少した。
先月トレンドフォースは、第4四半期にはメモリー半導体市場のもう一つの軸であるNANDの価格が前四半期より15~20%下落し、来年も供給過剰の解消は難しいと見通した。
メモリー半導体市場の悪化は、半導体メーカーの減産と投資縮小につながっている。マイクロンは16日(現地時間)、「最近の市場状況に対応し、自社会計年度の第4四半期(今年6~8月)よりDRAMとNANDの生産を約20%削減しはじめた」と発表した。さらに「2023年のDRAMビット供給増加率(bitsupply growth・半導体生産増加率)は減少し、NANDは増加するが、これまでの展望値より大幅に減るだろう」とし「主要製品の生産量はもちろん、来年の設備投資(CAPEX)も減らす計画」だと明らかにした。9月、マイクロンの最高経営者(CEO)サンジェイ・メロートラ氏は実績を発表し「短期需要の減少に対処するため、工場稼動率を下げ2023年の設備投資を減らす」と明らかにしたが、その後市場の見通しは一層暗くなり、投資縮小幅はさらに拡大した。
先月、SKハイニックスも来年の設備投資を50%以上減らすと明らかにした。日本のキオクシアは10月からウェハー投入量を30%程度減らしたと明らかにした。
業界では、コスト競争力でリードしているサムスン電子が「チキンゲーム」に乗り出す可能性もあるとの展望も出ている。DRAMメーカーらは、2007~2009年と2010~2012年にそれぞれ原価より低い価格で製品を供給する出血競争を行い、その過程でドイツのキマンダと日本のエルピーダが破産した経緯がある。その後、サムスン電子とSKハイニックスの市場寡占状態が続いている。ダオル投資証券のアナリスト、キム・ヤンジェ氏は「サムスン電子のNAND原価は他メーカーより20%ほど低い。チキンゲームを展開し、キオクシアなどのライバル企業に財務負担をかける形でシェア優位を占める戦略を展開する可能性がある」と指摘した。