本文に移動
全体  > 文化

ヘビの絵を見た6カ月の赤ちゃんは瞳孔が大きくなった…なぜ?

登録:2022-07-13 07:25 修正:2022-07-13 10:01
ゲッティイメージバンク//ハンギョレ新聞社

 自然と動物の世界は知れば知るほど神秘的で驚異的です。アニマルピープルの週間ニュースレターを担当するデン記者(犬種:ビーグル、6歳)が、経歴36年目の環境専門記者チョ・ホンソプ先任記者に不思議な動物の世界について「小さな質問」を投げかけます。

//ハンギョレ新聞社

Q.デン記者の問い

 先輩、このところ済州島ではヘビ出現のニュースが多いんですよ! 私の友達も道で逃げるヘビを1日に2回も見たそうです。ヘビはむやみに攻撃してきたりはしないでしょうが、それでも怖いです(泣)。ところでデンはまた変なことを考えちゃいました。毒ヘビが他の動物を噛んだら毒が体中に広がるでしょ? じゃあヘビが間違って自分を噛んじゃったらどうなるんでしょうか。

A.チョ記者の答え

 もしかしてこんな笑い話を聞いたのかい? 「赤ちゃんヘビが聞いた。『お母さん、私たちって毒ヘビなの?』『違うよ、なんで?』『よかった。今、舌を噛んじゃったんだ』」。実は、もし毒ヘビだったら、これは笑える状況じゃないんだよ。人も食事中に舌や口の内側を噛んじゃったりするだろう。エサとなる動物に毒を注入して見事に狩りに成功したとしても、たまたま口の中に傷がついていたり、胃潰瘍があるのに口に残っている猛毒をそのまま飲み込んでしまったりする可能性もあるからだ。そうなると血管内に毒が入り込むこともある。

 でも専門家の意見を聞くと、一応は自分や同じ種に噛まれても毒ヘビのほとんどは無事なんだって。オーストラリアのヘビの毒の専門家であるジェームズクック大学のジェイミー・セイムアー教授は「毒ヘビが同種の他の毒ヘビに噛みついたら、どうなるんですか?」と子どもに質問されて、専門家メディア「ザ・カンバーセーション」で次のように答えている。

ヘビは1億7000万年前の革新的進化のおかげで毒を得た。それまでのヘビの武器は、ニシキヘビのようにエサとなる動物を締め付けることだった。もともとは毒を生産しないヤマカガシはヒキガエルやホタルを食べて毒を体内に貯蔵する=福田将矢、京都大学提供//ハンギョレ新聞社

 「毒ヘビが交尾の過程や戦っている途中で、同種の毒ヘビに噛まれても問題ない。でも別の種の毒ヘビに噛まれたら問題になる」。この人は、激しい交尾行動やライバル間の争いがよく起こるため、自分の種の毒素に対する免疫力が進化したのだろうと説明している。たぶん、子どもが対象の短い文章だから、こういう風に断定的に表現したんだと思うけど、もう少し正確に言えば、すべての毒ヘビがそうというわけではない。

 ヘビに自分の毒に対する免疫があるかどうかは、まだはっきりしていないといった方が正確だろう。実際に、コブラは相手にとって致命的な神経毒を注入するけど、コブラ同士は単に傷が腫れるだけなんだ。でもコブラを食べるキングコブラは、別の種なのにコブラの毒に対する免疫力を持っているんだって。それと、同じ種の毒でもすべてが安全というわけではないという報告も多い。例えばブラジルのマムシの一種は、自分や仲間に噛まれて死ぬことがあるんだ。

 ヒトを含めた類人猿や鳥たちがいちばん恐れる捕食者こそまさにヘビ、特に毒ヘビだ。数多くの恐ろしい試行錯誤を通じて学んだわけだ。では、ここで問題! ヘビを一度も見たことのない6カ月の赤ちゃんにヘビの絵を見せたら、どういった反応をするでしょうか。1、何なのか分からず手でつかむ。2、瞳孔が大きくなるという本能的な警戒反応を示す。

 正解は2番だ。

 生まれて一度もヘビを見たことのない48人の6カ月の赤ちゃんを親の膝の上に座らせて、画面にいろいろな物を映し出して見せる実験がスウェーデンで行われた。赤ちゃんたちは花や魚を見ている時は落ち着いていたのに、ヘビを見せると一様に瞳孔が拡大するストレス反応を示した。人を含む霊長類がヘビを恐れるのは、自分が噛まれたり、親や仲間が示す反応を見たりして学んだというより、生まれながらにしてヘビを恐れるからだという説明が支配的だそうだ。

//ハンギョレ新聞社

チョ・ホンソプ、キム・ジスク記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

https://www.hani.co.kr/arti/animalpeople/wild_animal/1050601.html韓国語原文入力:2022-07-12 13:00
訳D.K

関連記事