防弾少年団(BTS)がデビュー9年目で団体活動の暫定的な休止を宣言し、K-POPアイドルのシステムの慢性的な弊害が問題になっている。
BTSのリーダーRMは14日夜、ユーチューブチャンネル「BANGTANTV」で公開した動画「真のバンタン会食」で、「K-POPアイドルのシステム自体が人を成熟させてくれない。ずっと何かを撮らなければならないので、個人が成長する時間がない」と打ち明けた。
K-POPは、計画的な訓練と統制で短期間に大量のコンテンツを生み出すアイドルを効率的に組織するシステムを通じて、世界的な成果を成し遂げた。このようなシステムをもとに、一時世界のトップを狙っていたJ-POPを超え、今やポップの本場である米国でも認められている。
しかし、K-POPアイドルのシステムはミュージシャンの自主性と創意性を損ない、消費中心の資本主義の弊害を露わにしているという批判に絶えず直面してきたのも事実だ。10代の青少年がほとんどであるアイドルが規格化されていったという指摘もある。
アイドルたちは、宿舎での団体生活や厳しいダンスの訓練などで表れる軍隊式システムの中で活動する。徹底した所属芸能事務所の管理の下、テレビ放送やコンサート、イベント、ファンミーティングなど、きついスケジュールをこなさなければならない。アイドルが自主的に休んだり、自ら創作に没頭する時間を与えないシステムだ。RMが動画で「休みたいと言ったら皆さんに嫌われそうで、罪悪感を感じるようだった」と言いながら、涙を見せる場面もあった。
大衆音楽評論家のキム・ジャッカ氏は「K-POPアイドルのシステムは芸能事務所主導の資本主義システムが作り出したコンテンツ産業の頂点」だとし、「BTSは音楽と産業を両立させようとしたが、(所属事務所の)HYBE(ハイブ)が成長し、一方に傾かざるを得ず、内的な葛藤が表れたものとみられる」と述べた。K-POPの産業化もアイドルの創作活動と自主性を損なう結果を生む。大手芸能事務所の上場が続き、実績の圧迫が所属アイドルに転嫁されるのだ。
HYBEは有価証券市場(KOSPI)入りを果たした最初のエンターテインメント企業でもある。SMやJYP、YGはいずれもコスダック上場企業だ。KOSPIはコスダックより規模や売上高の面でさらに厳しい上場基準を求めるが、これを十分満たした。HYBEの上場当時、現代自動車証券のキム・ヒョニョン研究員は「ビッグヒット(HYBEの前身)がKOSPI市場に上場したことで、エンターテインメント株の地位が大きく向上した」と評価した。
今月15日、HYBEの株価は24%以上暴落し、時価総額は1日で約2兆ウォン(約2080億円)減少したという報道が続いた。
このようにアイドルの成果は株価と直結する。HYBE(当時ビッグヒット)の上場とあいまって、BTSの歌にも変化が生まれた。それまでBTSのメンバーたちは作詞や作曲、製作能力を発揮し、自分たちの声を歌に反映していた。
だが、上場前後にBTSは外国人作詞家・作曲家の作った曲を歌った。「Dynamite」をはじめ「Butter」や「Permission to Dance」など英語の曲は、BTSのスタイルと似合わないように見えた。英語の歌詞の「バブルガム・ポップ」(10代をターゲットにした大衆音楽ジャンル)で米国を攻略することに焦点が当てられていた。
RMは「『Dynamite』まではチームが自分の手の中にあった感じだが、その後の『Butter』と『Permission to Dance』以降は自分たちがどんなチームなのかよく分からなくなった」と語った。
大衆音楽評論家のソ・ジョン・ミンガプ氏は「BTSが最近発表した歌には活力がなく、個性が感じられなかった」とし、「メンバーが主体的に活動しながら力を発揮しなければならないのに、所属事務所のシステムを忠実に遂行する限られた役割に止まった場合が多く、もどかしさを感じたようだ」と指摘した。
最近はK-POPが国を代表する産業のようになり、アイドルは外国でも成功しなければならないというプレッシャーに苦しんでいる。K-POPに莫大な資本が投入され、短時間で推し進める成長主義が激しくなり、アイドルもグローバル競争に追い込まれているのだ。
このような問題を解決する代案を探すのは、実際には容易ではない。このような状況でも、専門家や業界はいくつかの代案を提示した。大衆音楽評論家のイム・ジンモ氏は「企画会社がアイドルの活動にもっと多くの自主権を与えなければならない。アイドル自らがやりたいスタイルの音楽を作ったり、他の歌手とコラボできるように道を開かなければならない」と話した。
ある中小規模の芸能事務所の代表は「アイドルとインディーズ歌手の間の中間地帯をもっと広げる必要がある。現在は芸能事務所も二極化しており、アイドルは資本に振り回され、インディーズ歌手は活動自体が難しいほど状況が苦しい」として、「事務所のイベントとマーケティングに酷使されず、曲も自作し、自分のファンを対象に公演もできるアイドルが多く登場できるシステムを作っていくべきだ」と指摘した。
ある小規模の芸能事務所のチーム長も「HYBEも小さな芸能事務所から出発した」として、「小規模の事務所のアイドルたちが舞台に立てる空間を多く作り、番組でも様々なジャンルの音楽を紹介すべきだ」と話した。