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中国空母は艦載機訓練、米軍巡洋艦は台湾海峡を通過

登録:2022-05-12 10:04 修正:2022-05-12 10:57
タイコンデロガ級巡洋艦「ポート・ロイヤル」が10日、台湾海峡を通過する「航行の自由」作戦を行っている=米海軍第7艦隊提供//ハンギョレ新聞社

 ウクライナをめぐる米ロの「間接戦」が長期化する中、東シナ海をめぐる米中の軍事的駆け引きも露骨になりつつある。ウクライナと台湾海峡という「二つの戦線」で、中国・ロシアと同時に対峙しなければならない米国の戦略的苦悩はさらに深まるものとみられる。

 インド太平洋地域を担当する米海軍第7艦隊は10日(現地時間)、声明を発表し、「タイコンデロガ級巡洋艦ポート・ロイヤル(満載排水量9800トン)が、国際法を順守しつつ台湾海峡の国際水域を通過した。艦船はいかなる周辺国の領海も侵犯せず、海峡を通過した。ポート・ロイヤルの今回の台湾海峡通過は、自由で開かれたインド太平洋に対する米国の関与を示すもの」と明らかにした。さらに「米国は国際法が許容する場所であればどこでも飛行し、航海し、作戦を遂行する」と付け加えた。第7艦隊は先月26日および2月26日にも艦船を派遣し、台湾海峡を通過するなど、1~2カ月に1回ずつ「航行の自由」作戦を実施し、中国を牽制している。

 今回の作戦が注目を集めているのは、この直前に中国初の空母「遼寧」が、沖縄周辺海域で艦載機と艦載ヘリコプターが100回以上も離着陸する「異例の」訓練を行ったためだ。岸信夫防衛相は10日午前の記者会見で、中国海軍の空母「遼寧」を含む8隻の中国海軍艦艇が2日、沖縄本島と宮古島の間を通過して太平洋に南下した後、3~8日に石垣島の南約150キロの海域で、艦載機と艦載ヘリを100回以上空母から発着させる訓練を実施したと明らかにした。さらに、中国海軍の今回の演習は、「これまでで最も日本に接近した海域」で行われたものだとし、日本も戦闘機を緊急発進させて対応したことを伝えた。米中新冷戦の最前線である沖縄と台湾をつなぐ東シナ海で、日本の航空自衛隊の戦闘機と中国海軍の艦載機が対峙する場面が繰り広げられたということだ。

 岸防衛相は中国海軍の今回の訓練について、「空母などの運用能力や、より遠方の海空域における作戦遂行能力の向上を企図した活動の可能性がある」と評価した。米国防総省が毎年発行する報告書「中国軍事力評価」によると、中国が台湾と沖縄をつなぐ「第一列島線内では第三国の介入を抑止する能力が強く、第二列島線(グアムなどマリアナ諸島付近)でも能力を備え始めた」と評価している。中国海軍が第二列島線に前進して活動を広げるためには、空母の運用能力の向上が必須となる。

キル・ユンヒョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/asiapacific/1042369.html韓国語原文入力:2022-05-12 02:45
訳C.M

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