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指名から20日で副首相候補辞退…尹錫悦政権の人選に責任論も

登録:2022-05-04 08:20 修正:2022-05-04 08:51
キム・インチョル社会副首相兼教育部長官候補が今月3日午前、ソウル汝矣島の韓国教育施設安全院に設けられた候補者事務室の前で辞退を表明した後、記者会見を後にしている=共同取材写真//ハンギョレ新聞社

 「親の七光り」をめぐる疑惑に加え、教育部懲戒前歴などで物議を醸したキム・インチョル社会副首相兼教育部長官候補者が3日、自ら辞退した。先月13日に候補に指名されてから20日で、尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権の内閣候補者の中から初の辞退者が発生した。尹次期大統領は人選検証に失敗した責任論とともに、後続人選という課題を抱えることになった。

 キム氏は同日の記者会見で、「釈明はしない。すべてが自分の過ちであり、不徳の致すところ」だとし、「私を信じて重責を任せてくださった尹次期大統領に申し訳ない気持ちでいっぱいだ」と話した。

 尹次期大統領は前日、キム氏から辞退の意思を聞いて受け入れたと、政権引き継ぎ委員会は伝えた。国民の力の指導部の関係者は「フルブライト奨学金をめぐる『親の七光り』疑惑などは、チョン・ホヨン保健福祉部長官候補よりも具体的であるため、辞退は避けられなかっただろう」と述べた。

 キム氏は妻と2人の子どもがいずれもフルブライト奨学金をもらっており、教え子に対するセクハラ容疑で重懲戒を受けた教授を長期勤続を理由に褒賞したうえ、教育部監査で懲戒を受けた前歴があるため、国民の力の中でも辞退を求める声があがった。

 キム氏の辞退で「親の七光り」疑惑などで批判世論が高いチョン・ホヨン保健福祉部長官候補の去就にも関心が集まっている。チョン氏は同日の国会人事聴聞会で「私に被せられたいろいろな疑惑を晴らすため、この場に立った」として、自ら辞退する意思はないと明らかにした。ただ、引き継ぎ委は世論に神経を尖らせている。引き継ぎ委の関係者は、「チョン候補はひとまず聴聞会を見守らなければならない」とし、「自ら辞退すべきという意見が51で、そうでない意見が49なので、聴聞会を見てから決めることになりそうだ」と話した。キム・ヨンテ最高委員は「チョン候補に対する国民の視線も依然として冷ややかなのが事実」だと語った。

 共に民主党は攻勢を強めている。パク・ホングン院内代表は、「(チョン候補は)キム候補のように、直ちに(居座りを)やめるべきだ」とし、「ハン・ドクス首相候補とハン・ドンフン法務部長官候補らは、すでに国民の検証で脱落した」と述べた。

 キム・インチョル候補の辞退で、尹次期大統領は打撃を受けることになった。尹次期大統領はバランスと多様性の代わりに、能力と人柄を前面に押し出した能力・成果主義の人事を標榜した。だが、キム氏が「家族のフルブライト奨学金特恵疑惑」などで辞退を余儀なくされたことで、自ら掲げた「常識と公正」もスローガンに終わることになった。

 検証が不十分だったという批判も免れないとみられる。キム候補がチャン・ジェウォン次期大統領秘書室長の兄であるチャン・ジェグク東西大学総長と人脈があることが知られ、尹次期大統領の学縁や地縁、親交に偏った「友だち」人事では検証が無力になったと指摘されている。検証は尹次期大統領の検察側近であるチュ・ジヌ元検事を中心に行われた。正義党のチャン・テス報道担当は「人事検証の基準も提示せず検証を要請し、資格がないことが明らかになったにもかかわらず、指名撤回で責任を取らなかった尹次期大統領の謝罪を要求する」と論評した。

 国民の力は、キム氏の辞退を受け、ひとまず戦列を整えることに力を入れるものとみられる。イ・ジュンソク代表は同日、「キム候補の判断を尊重し、他の候補に対しても徹底的に立法府として検証する一方、民主党の無理な攻勢には与党として対抗する」と述べた。

キム・ミナ、ソ・ヨンジ、キム・ミンジェ、イ・ユジン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/assembly/1041491.html韓国語原文入力:2022-05-04 02:40
訳H.J

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