ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が5日(現地時間)、西側など非友好国に対する食糧輸出に慎重でなければならないと述べ、穀物などに対する輸出規制の可能性をほのめかした。
プーチン大統領は同日、食品生産開発関連会議で、西側諸国によるロシア制裁で世界中の食糧危機が深刻化し、エネルギー価格も上昇しているとして、このように述べた。ロイター通信が報じた。プーチン大統領は、エネルギー価格の上昇と肥料不足により、西側諸国が食糧の確保に積極的に乗り出しているとし、これは貧しい国々の食糧不足を招きかねないと主張した。そして、「このような状況で、我々は外国への食糧供給にはいっそう慎重でなければならず、特に我々に敵対的な国々への輸出を綿密に監視しなければならない」と述べた。
プーチン大統領の側近であるドミトリー・メドベージェフ安全保障会議副議長は最近、ロシアに友好的な国々にのみ農産物を輸出することもありうると警告した。
ロシアは2020年、世界の小麦輸出量の17.6%を輸出した主要農産物輸出国だ。ロシアの侵攻で農産物輸出に支障を来たしているウクライナも、世界の小麦輸出量の8%程度を担っている。
ロシアは主な肥料の輸出量を制限するクオータ制を来春まで延長する措置も取ったと、同通信が報じた。ロシアは窒素肥料などに対する輸出クオータ制を昨年12月から今年5月末まで施行しているが、これを来春の播種期まで延長することにした。ロシアは全世界の肥料生産の約13%を生産しており、肥料原料の主要輸出国でもある。 炭酸カリウムの場合、ロシアとロシアの友好国であるベラルーシが世界の輸出量の40%以上を供給している。ロシアはまた、世界のアンモニア輸出量の22%、ヨウ素(ヨード)輸出量の14%を占めている。
ロシアのウクライナ侵攻が長期化するにつれ、穀物供給をめぐる懸念が再び高まり、国際穀物価格はこの日上昇傾向を示した。5日、米シカゴ取引所で5月引き渡し分の小麦先物価格は前日より3.5%上昇したブッシェル(約25.4キロ)当たり1045ドルで取引を終えた。大豆とトウモロコシの先物価格も軒並み上昇した。