ウクライナでは砲声がとどろき、「ストロングマン」たちが敵対的に共存する「大転換の時代」、韓国はどこに向かうべきだろうか。文在寅(ムン・ジェイン)政権で国立外交院長を務めた国際政治学者キム・ジュンヒョン韓東大学教授が、韓国外交の未来に関する提案を著書『大転換の時代、新しい大韓民国が来る』に書いた。
韓国の地位は大きく変わった。弱小国コンプレックスを捨てる時期になっており、そうしてこそさらに跳躍できると著者は言う。韓国は経済力や軍事力などのハードパワーが膨大に成長しており、韓流をはじめとするソフトパワーの魅力も増大した。これからは責任と役割も変わらなければならないというのが著者の考えだ。
著者の最も大きな関心が注がれるのは朝鮮半島だ。一極体制が崩壊し、多極体制が始まる地点で、揺れ動く米中競争の間で、朝鮮半島の選択基準は南北の平和構築でなければならない。米中関係が悪化する中、南北関係まで緊張構図に置かれると、朝中ロと韓米日の対決構図が蘇り、対中依存度の高い韓国経済は大きな困難に直面せざるを得ないからだ。二者択一の状況に迫られて一方を選ぶのではなく、多様な方式で事案別に協力の空間を拡大していく実事求是のアプローチが望ましい。欧州やインド、ASEANなど第3地帯との連帯も強化しなければならない。
「不当な平和でも正しい戦争よりはましだ」というエラスムスの言葉は、たとえ屈従の平和であってもそれを追い求めるべきということではなく、平和のために支払うべき費用は戦争費用に比べてはるかに少ないことを意味すると、著者は強調する。