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米国は富裕層への資産集中が深刻…韓国は所得不平等が深化

登録:2022-02-03 02:56 修正:2022-02-03 08:10
世界不平等レポート2022=世界不平等研究所(World Inequality Lab) より//ハンギョレ新聞社

 2022年、世界の注目が集まっているのは不平等と気候変動だ。世界不平等研究所(World Inequality Lab)が最近発行した「世界不平等レポート2022」は、国、所得、資産、性別格差の深刻さをよく表している。同レポートには各国の炭素排出量(1人当たり)の違いを示す炭素不平等の度合いも含まれている。

 新興国や後発国の高速成長で国家間の不平等が緩和された一方、国内の不平等が広がっている。所得上位10%と下位50%の国の平均所得格差が、1980年の53倍から2020年には38倍に縮まった。同期間中、一国内の上位10%と下位50%の所得格差は平均8.5倍から15倍に広がった。

 大陸別では、中東、アフリカ、南米の所得不平等が深刻だ。一部の高所得層の収入が大幅に増えた一方、大多数の人はそうでなかったためと分析される。下位50%に比べた上位10%の所得倍率は、南アフリカ共和国が63倍、ブラジルが29倍、トルコが23倍、インドが22倍、モロッコが18倍だった。先進国では米国が17倍で高い方であり、韓国と中国が14倍、欧州の国々は10倍以下だった。スウェーデンは北欧の国の中で不平等が深刻な方だが、6倍に止まった。

 資産の不平等はさらに深刻だ。米国の上位10%の富裕層の資産は下位50%の236倍だった。所得の不平等の14倍の水準だ。欧州先進国のドイツ(89.3倍)とフランス(60.8倍)も資産の不平等が深刻な方だ。イスラム諸国のトルコ(90.9倍)、モロッコ(71.7倍)も同様だ。韓国、中国、日本は50~52倍で、カナダ(49.5倍)やスウェーデン(49.7倍)とほぼ同じ水準だ。ブラジル、ポーランド、南アフリカ共和国の下位50%は保有財産より借金の方が多かった。

 全体所得のうち、女性が占める割合はスウェーデン(42%)とフランス(41%)で高く、モロッコ(14%)とインド(18%)で非常に低かった。1人当たりの炭素排出量は先進国が圧倒的に多かった。米国(21.1CO2t)やオーストラリア(19.6CO2t)、カナダ(19.4CO2t)の国民は、インド(2.2CO2t)とモロッコ(3.3CO2t)に比べ、温室効果ガスを5.9~9.6倍多く排出した。韓国の炭素排出量は欧州諸国に比べて約50%も多かった。

 同レポートは、フランスの経済学者らを中心に各国の学者や研究員100人余りが様々な機関で確保した統計資料を基に作成された。

パク・ジュンオン副編集長(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/economy/economy_general/1029416.html韓国語原文入力:2022-02-02 10:08
訳H.J

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