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[社説]日本の岸田新首相、「第100代首相」らしい「発想の転換」を期待する

登録:2021-10-05 02:44 修正:2021-10-05 07:04
岸田文雄自民党総裁が4日、日本の第100代首相に選出された。選出を数時間後に控えた同日午前、東京の自民党本部に入ってきた岸田総裁=東京/共同・聯合ニュース

 岸田文雄自民党総裁が4日、日本の新しい首相に選出された。2012年末の自民党の政権奪還後、安倍晋三、菅義偉に続く日本の100番目の首相だ。100という数字の象徴性は大きいだけに、意欲も強いと思う。新首相の就任が凍りついた韓日関係にとっても変化の契機となることを願う。

 安倍首相と菅首相の時代に、韓日関係は国交正常化以降最悪へと突き進んだ。朴槿恵(パク・クネ)政権が2015年に日本政府と結んだ「慰安婦合意」を文在寅(ムン・ジェイン)政権が事実上破棄するとともに、最高裁が強制徴用被害者に対する日本企業の賠償責任を認める判決を下すと、日本は韓国に対する半導体素材の輸出を規制した。歴史問題の解決策をめぐる対立に日本が経済報復で対応したことは、事態を袋小路に追い込んだ。韓国政府は、韓日軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の終了を宣言したものの、通知の効力を一時停止した。両国政府間で鋭い言葉が行きかい、両国国民の相手国に対する好感度も顕著に低下した。

 岸田首相と彼の率いる内閣が直ちに韓日関係の改善に取り組むことを期待するのは難しそうだ。岸田首相は「慰安婦合意」当時の外相で、日本の植民地支配に対する賠償問題について「韓国は国家間合意と国際法を順守すべき」との立場を固守してきた。岸田首相が茂木敏充外相と岸信夫防衛相を留任させたのも、外交・安保政策は連続性を重視するという意味と解釈される。

 しかし、このような冷え込んだ両国関係が続くことは両国いずれにとっても有害だということを、岸田首相が知らないはずはない。岸田首相は、今月末に総選挙が終われば、「安倍元首相の影」ではなく日本の100代首相として、新たな歴史を書き記していかなければならない。

 両国には日帝の植民地支配という悪縁があるが、歴史をめぐる対立の中でも協力すべきことは協力し合いながら関係を発展させてきた。東アジアの国際秩序が急変しつつある今も、両国は互いを必要としている。両国の冷え込んだ状態が改善されないのは、1965年の韓日基本条約と請求権協定を揺るがすいかなる事項も容認しないという日本の硬直した態度のためだ。岸田首相が前提条件なしに対話に取り組むことを期待する。カン・チャンイル駐日大使の面談要請を最後まで拒否したまま首相職を終えた菅前首相とは違うことを願う。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/1013820.html韓国語原文入力:2021-10-04 18:32
訳D.K

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