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東京五輪、ワクチン接種率上昇と感染者減少で開催に弾みつくか

登録:2021-06-10 04:58 修正:2021-06-10 07:26
東京五輪の聖火リレーの様子/ロイター通信・聯合ニュース

 世界最下位の水準だった日本の新型コロナワクチン接種が加速化するにつれ、7月23日に開幕予定の東京五輪開催に再び弾みがついている。米国が15日ぶりに日本に対する渡航警戒レベルをレべル3に引き下げた中、日本政府は主要7カ国首脳会議(G7サミット)で東京五輪開催への支持を引き出す予定だ。

 読売新聞は11~13日(現地時間)、英国で開催されるG7サミットの共同声明で、東京五輪の開催に対する支持を明記する案が議論されていると9日付で報じた。菅義偉首相は、G7会議で新型コロナ対策を説明し、五輪開催への支持を訴えるものとみられる。同紙は「五輪をめぐっては国内の世論調査などで開催への賛否が拮抗していることから、日本政府は今回のサミットで改めて各国の支持を取り付け、五輪開催への機運を高めたい考え」だと分析した。五輪開催のためには、主要国の選手団の参加が重要だが、各国首脳らの支持は前向きな影響を与えるものとみられる。

 最近、日本のワクチン接種の速度も増している。今年2月末からワクチン接種を始めた日本は、先月9日で接種率が2.59%だったが、1カ月後の同日、10.87%へと急上昇した。今月21日から大手企業や大学でも接種が始まり、ワクチン接種率はさらに高まるものと予想される。

 新型コロナの感染拡大の勢いも衰えている。7千人台まで増加した一日の新規感染者数が、先月15日の6千人台から徐々に下降曲線を描き、8日は1884人まで減少した。これを受け、米国務省は8日、日本に対する渡航警戒レベルを最も高い段階のレベル4からレベル3に引き下げた。今回の引き下げはレベル4に引き上げてから半月ぶり。米国人に対する国務省の渡航警戒レベルは、一般的な事前注意(レベル1)、注意を強化(レベル2)、渡航を再検討(レベル3)、渡航中止(レベル4)の4段階に分けられる。

 強気になった日本政府と五輪関係者の間では、東京五輪に日本国内観客の入場を認めようという声が広がっていると、この日朝日新聞が報じた。橋本聖子東京五輪組織委会長は8日の理事会で、有観客で試合を行っているJリーグを参考にしたいという意向を明らかにした。現在日本では、野球やサッカーなどのスポーツ競技において、収容人数の50%を限度に最大5千人まで観客を収容できるようにしている。首相官邸の幹部も「観客ゼロだと選手は力が出ない。無観客はない」と述べるなど、政府内では有観客を前提に議論が進められていると同紙は報道した。

 わずか1カ月前の4月、橋本会長が「無観客の覚悟は持っている」発言したのに比べると、明らかに風向きが変わっている。日本政府は東京など緊急事態が終わる今月20日、日本国内の観客の入場を認めるかどうかを決定する予定だ。

 しかし、専門家の間では有観客の開催に対する懸念の声があがっている。日本政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長は2日、衆院厚生労働委員会で「開催するなら規模を最小化し、管理態勢を最大限強化すべき」だとし、有観客の開催に否定的な見解を明らかにした。尾身会長は3日の参議院でも「観客の移動で感染リスクが高まる」と強調した。朝日新聞は専門家の言葉を引用し、「五輪と普通のスポーツを同一視することはできない」と指摘した。新型コロナ政策を担当する政府関係者も「今月下旬、緊急事態宣言が解除されれば感染がまた拡大する可能性がある」と述べた。

キム・ソヨン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/998632.html韓国語原文入力:2021-06-09 17:14
訳H.J

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