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国連も日本の汚染水に深い懸念…特別報告者「危険を過小評価」

登録:2021-04-17 03:22 修正:2021-04-17 07:40
日本による汚染水の放出に対して、国連人権理事会の特別報告者たちが懸念を示した。国連人権理事会のウェブサイトより//ハンギョレ新聞社

 国連人権委員会の特別報告者たちが、日本の原発からの汚染水放出について「深い遺憾」を表明した。

 国連人権理事会(UNHRC)に所属する3人の特別報告者は15日(現地時間)、「100万トンの汚染水を海洋環境に放出することは、日本の国境の内外にいる人々の人権の完全な享受にかなりの危険をもたらす」と批判した。国連人権理事会のホームページによると、3人はそれぞれ毒性物質と人権、食品に関する権利、環境と人権を担当する特別報告者で、特定のテーマについての専門性にもとづいて、これらの問題が人権に及ぼす影響などを評価している。

 3人は「多くの人の命と環境全般に及ぼす影響に対する警告を考慮すると、日本政府の決定は非常に懸念される」とし「この問題を解決する代案があると信じているため、今回の決定には特に失望する」と述べた。

 3人は、汚染水を太平洋に排出することは、人々の健康と環境に対する潜在的な脅威になり得るとの懸念を日本政府に伝えてきた。

 特に3人は、多くの放射性炭素-14、およびストロンチウム90やトリチウム(三重水素)などのその他の放射性同位元素が汚染水に含まれている可能性があるとの懸念を示した。彼らは、いわゆる「多核種除去設備(ALPS)」として知られる水処理技術は、福島第一原発の貯水タンクに貯蔵されているほとんどの汚染水から放射能を完全に除去することに失敗しているとし、「(今後行われる)2回目の水処理が成功するという、いかなる保障もない」と述べた。また、ALPSがトリチウムや炭素14を除去できていないことも明らかにした。

 特別報告者たちはトリチウムに対する憂慮も示した。彼らは「日本は、トリチウムの数値は非常に低く、人間の健康への脅威にはならないと強調するが、科学者たちは水に含まれるトリチウムが有機的に他の分子と結合し、食物連鎖を通じて植物と魚、人間に影響を及ぼすと警告している」と述べた。トリチウムの放射能の危険性は過小評価されており、100年以上も人間と環境に危険をもたらしうるというのだ。

 特別報告者たちは「我々は有害物質へのばく露を防止し、放出がもたらす危険性についての環境影響評価を行い、国境を越える環境への害悪を防止し、海洋環境を保護する国際的義務を日本に想起させる」と述べた。

チェ・ヒョンジュン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/991327.html韓国語原文入力:2021-04-16 11:39
訳D.K

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