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[社説]多数の容疑で「有罪」、重刑判決を受けたチョ・グク前法相夫人の一審裁判

登録:2020-12-24 07:31 修正:2020-12-24 08:36
東洋大学のチョン・ギョンシム教授が23日午後、ソウル瑞草区のソウル中央地方裁判所で開かれた一審の判決公判に出席している=キム・ボンギュ先任記者//ハンギョレ新聞社

 入試不正とPE(プライベート・エクイティ、未公開株)ファンド関連の容疑で裁判を受けてきたチョ・グク前法務部長官の妻のチョン・ギョンシム東洋大学教授が23日、懲役4年の重い刑を宣告され、法廷拘束された。PEファンド関連の容疑は主要な点で有罪と無罪が交錯したが、合計15件の容疑のうち11件が有罪と認定された。昨年8月にチョ前長官が法務部長官に内定した後の検察の大々的な捜査から始まった「チョ・グク事態」が、約1年4カ月後に一次的な法的判断を受けたわけだ。

 一審でソウル中央地裁は、議論になった東洋大学総長の表彰状の偽造など、不正入試の容疑をすべて有罪と判断した。裁判部は「社会の入試システムに対する信頼と期待を損なわせる否定的な結果を招き、非難の可能性が極めて高い」と量刑の理由を明らかにした。たとえ一審の結果だとしても、この点に対しすべてが有罪と認定されたことで、チョン教授は法的・道徳的な負担を負うのは避けられなくなった。親の既得権を利用し入試競争で優越した地位を享受する現象は、正義と公正の価値を損なう。入試での不公正行為に対する厳罰という基調は、チョン教授の事件に限るものとなってはならない。

 PEファンドに関しては、未公開情報を利用した株取引と借名口座開設の容疑が認定された。裁判部は「高位公職者に対し社会が要求する財産増殖の透明性や共益と私益の利害が衝突しない客観的な公職遂行に対する要請などを回避しようとしたこと」だと明らかにした。

 一方、ソウル中央地裁は、虚偽のコンサルティング契約を結びコリンク・プライベート・エクイティの会社の金を横領した容疑と、金融委員会にファンドへの出資約定金額を偽って申告したという容疑は、無罪と判断した。チョ前長官に対する検察の捜査の本筋だったPEファンドの部分で主要な容疑に無罪が宣告されたことにより、検察も過剰な捜査・起訴の議論から逃れることが難しくなった。これまで、検察が大々的な捜査を行ったにもかかわらず、起訴内容が「権力型不正」とはかけ離れているという批判が出ていたが、そのなかでも一部は無罪になったということだ。不正入試もやはり事案の性格は重大だが、一つの家族を狙い過剰な捜査の力を集中したという点は、今なお省みる点だ。

 チョン教授の弁護人は「捜査過程から争おうとした予断と推測が先入観とともに繰り返された」とし、控訴する意向を表明した。チョン教授の裁判と一部で容疑で重なっているチョ前長官の裁判の結果も注目される。今後も多くの段階の長い法廷攻防が予想されるだけに、一審の判断は尊重するが、行き過ぎた予断なしに最終結果を見守る必要がある。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/975663.html韓国語原文入力:2020-12-24 02:45
訳M.S

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