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文大統領「2050年カーボンニュートラル宣言…石炭発電を再生可能エネルギーに」

登録:2020-10-29 06:32 修正:2020-10-31 14:17
文在寅大統領が今月28日午前、ソウル汝矣島の国会で2021年度予算案に関する施政方針演説を行っている/ 聯合ニュース

 韓国政府が2050年にカーボンニュートラル(ネット・ゼロ)を果たすと宣言した。これにより、韓国はすでに同じ宣言をした世界数十カ国と気候危機問題への対応に関する認識を共にすることになった。

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領は28日午前、国会で行った施政方針演説で「国際社会とともに気候変動に積極的に対応し、2050年のカーボンニュートラル(炭素中立)を目標に突き進む」と述べた。カーボンニュートラルとは、温室効果ガスの排出量と除去量が同じく、純排出量が実質ゼロになる状態で、ネット・ゼロ、排出ゼロともいう。文大統領がこれを述べた瞬間、国会内では拍手がわき起こった。世界的にカーボンニュートラルを追求する国際同盟に120カ国が参加しており、昨年9月の気候首脳会議で世界65カ国がカーボンニュートラルを宣言するなど、これまですでに70カ国以上がカーボンニュートラルを宣言した。中国と日本も先月23日と今月26日、それぞれカーボンニュートラルを宣言した。ただし、国連に削減計画書を提出した17カ国のうち、欧州連合(EU)やフィンランド、ポルトガル、南アフリカ共和国など8カ国だけがカーボンニュートラルを目標とする計画書を提出した。

 文大統領はさらに「グリーンニューディールに8兆ウォン(約7400億円)を投資する。政府はこれまでエネルギー転換政策を強力に推進してきたが、まだ足りない点が多い」と述べた。また「石炭発電を再生エネルギーに替え、新しい市場と産業を作り上げると共に、雇用を創出する」と強調した。

 文在寅政権は今年7月、気候危機問題に対応して経済成長を率いる韓国型ニューディールの一軸として「グリーンニューディール」政策を発表し、電気・燃料電池自動車と再生エネルギー普及拡大などのエネルギー転換計画を掲げた。しかし、石炭発電の退出を明らかにせず、環境団体から「名ばかりのグリーンニューディール」という批判を受けてきた。

グレタ・トゥンベリさんは世界で最も影響力のある10代であり、代表的な環境運動家だ。今月16日、ハンギョレの取材陣とテレビ電話インタビューをしている姿=パク・ジョンシク記者//ハンギョレ新聞社

 さらに文大統領は「老朽化した建物や公共賃貸住宅を環境にやさしい施設にし、都市空間・生活基盤施設のグリーン化に2兆4千億ウォン(約2200億円)を投資する。電気・燃料電池自動車の普及も11万6千台に拡大し、充電所の建設や急速充電器の増設などに4兆3千億ウォン(約3900億円)を投資する」と述べた。また「スマート産業団地を低炭素・グリーン産業団地として造成し、地域再生エネルギー事業への金融支援を拡大する」と強調した。

 韓国政府の「2050年カーボンニュートラル」宣言は、最近グレタ・トゥンベリさんがハンギョレのインタビューで、文大統領に気候危機問題に対し行動してほしいと訴えたことに対する回答といえる。当時、グレタさんは「私がやっていることを、文大統領が尊重していると聞いた。ならば(行動で)証明してほしい。行動が言葉よりはるかに意味がある」と述べた。

チェ・ウリ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/society/environment/967528.html韓国語原文入力:2020-10-28 21:41
訳H.J

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