テレグラムのn番ルーム事件(チャットルームで性搾取映像・画像などを取引した事件)で、性搾取犯罪の処罰強化が本格的に進められているが、今年上半期、軍検察のデジタル性犯罪起訴率が40%にも及ばないことが分かった。軍服務期間中にデジタル性犯罪を犯した10人のうち6人以上は処罰を免れたということだ。
29日、ハンギョレが国会国防委員会所属のホン・ヨンピョ議員室(共に民主党)から入手した「軍デジタル性犯罪発生現況」によると、今年1月から6月にかけて発生した78件のうち28件だけが起訴され、起訴率は36%にとどまった。上半期の統計ではあるが、2018~2019年の起訴率52%を下回る数値だ。n番ルーム事件のように児童・青少年の性搾取映像を制作・配布した軍人は9人だったが、裁判にかけられたのは3人だった。性搾取物の所持で摘発された軍人は13人だったが、起訴されたのは1人(8%)だけで、2018~2019年の起訴率(31%)をはるかに下回った。
最近、部隊内で兵士が個人のスマートフォンを所持・使用できるようになり、デジタル関連性犯罪の発生が増える恐れがある。「博士ルーム」で活動しながら性搾取物を流布した「イギヤ」も現役の兵士(イ・ウォンホ一等兵)だった。違法撮影物や知人陵辱、性搾取物など、軍内のデジタル性犯罪件数は2018年102件、昨年133件に続き、今年上半期だけで78件を記録し、増加傾向を示している。
しかし、軍ではデジタル性犯罪の深刻さを認識していないという指摘が出ている。最近、違法撮影物をインターネットで流布した現役の将校が「削除の意向」を明らかにしたという理由で執行猶予を受けた事例からも分かるように、軍事裁判所の寛大な処罰も問題だ。ホン議員は「軍事裁判所は民間裁判所に比べて被害者の接近が難しく、外部の関心度が低いため、量刑と判決が被告に寛大な傾向を示している。民間で性犯罪を犯し、逃避するため入隊を選ぶという話まであるのが実情」だとし、「量刑が民間裁判所で行われる類似犯罪の宣告量刑にも影響を及ぼすため、裁判過程で民間裁判所と同じ水準の透明性が保障されなければならない」と指摘した。