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韓国、ついに全国の新規感染400人台…迫りくる「決断の時間」

登録:2020-08-28 09:30 修正:2020-08-29 10:14
最近新型コロナ拡散で感染者が多発している光州市は27日、大衆利用施設に対する行政命令を「集合制限」から「禁止」に引き上げ、事実上ソーシャル・ディスタンシングレベル3に準ずる措置に入った。写真は27日、行政命令でレベル2に引き上げられ、営業中止している光州東区忠壮路のゲームセンター/聯合ニュース

 27日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の1日の新規感染者が約5カ月ぶりに最大規模の441人と集計されたことを受け、ソーシャル・ディスタンシング(社会的距離措置)をレベル3に引き上げるかどうかを検討している政府の悩みが深まっている。防疫当局は「ソーシャル・ディスタンシングのレベルも悩ましいが、今は各レベルに合った実践が確実に行われることが何より重要だ」と強調した。しかし同日、光州市(クァンジュシ)がレベル3に準ずる行政命令を下すなど、緊張感が高まっている。

 中央防疫対策本部(防対本)は同日0時現在、新規感染者は441人と発表した。これは新天地イエス教会関連の集団感染が続いた3月7日(483人)以来最も多い数だ。このうち首都圏は約70%の313人だが、同地域で1日の感染者が300人を超えたのは、韓国国内でのCOVID-19発生以来初めて。非首都圏の新規感染者が100人を超えたのも3月21日以後初めてだ。現在、COVID-19が首都圏だけでなく全国的にも大きく広がっているということだ。

 政府はひとまず、計画通り週末まで発生状況を見守った後、ソーシャル・ディスタンシングをレベル3に引き上げるかどうか決める予定だ。複数の政府関係者は「(全国のソーシャル・ディスタンシングをレベル2に上げてから1週間になる)土曜日まで推移を見て判断する」と話した。政府のこうした態度には、ソウル城北区(ソンブクク)のサラン第一教会、光復節の光化門(クァンファムン)集会などと関連した最近の感染者急増を「管理」できるという判断があるようだ。大統領府の関係者は「不特定多数が集まる大規模集会でCOVID-19が全国に広がった状況だが、該当者を探しだして検査を受けさせたことで感染者が増えたのは、防疫システムがきちんと作動しているということ」と説明した。

 だが、これはサラン第一教会の信者・訪問者と光化門集会関係者の検査率が高くないという点を看過している。中央災害安全対策本部(中対本)がこの日公開した資料によると、サラン第一教会の信者・訪問者5912人のうち、COVID-19の検査を受けた人は32%(1902人)ほどで、光化門集会の参加者と近隣訪問者5万1242人のうち検査を終えたのは16%(8036人)程度にすぎない。特にサラン第一教会の信者・訪問者のうち光化門集会への参加者は639人だが、この中でも検査を受けたのはまだ241人(38%)だけだ。感染者は79人で、陽性率が32%に達する。

 さらに大きな問題は、彼らの多くが検査を拒否している間、光化門集会を発信場所としたCOVID-19発生が、全国13の市・道に広がったという点だ。特に光州市(クァンジュシ)では、集会参加者が同地域の教会を訪問するなどの影響で、2日間で新規感染者が50人以上出た。この日光州市はソーシャル・ディスタンシングのレベル3に準ずる行政命令を発動した。来月10日正午まで光州では、宗教施設の非対面活動のみ許容▽集団体育活動の集合禁止▽ゲームセンター、敬老堂、銭湯などの利用禁止、塾、キッズカフェなど10人以上の集合禁止などが施行される。

 高麗大学安山病院感染内科のチェ・ウォンソク教授は「今が頂点だとは誰も予測できない。現在の患者発生の水準を統制するのは難しい」と懸念を示した。嶺南大学病院感染内科のホ・ジアン教授は「光復節集会が問題だというが、17日を臨時公休日に指定し、(COVID-19伝播の危険が大きい)連休を作ったのは政府。実は政府が生活防疫を崩すシグナルを送った」と批判した。

キム・ミナ、パク・ジュニョン、チョン・デハ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/health/959663.html韓国語原文入力:2020-08-28 02:41
訳C.M

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