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検察改革・選挙制度改革…与野党、本会議控え「神経戦」

登録:2019-10-28 02:58 修正:2019-10-28 07:34
26日夕方、ソウルの汝矣島市民公園一帯で司法積弊清算、検察改革を目指す汎国民市民連帯の主催で開かれた第11回ろうそく文化祭。参加者たちが「設置せよ! 公捜処」などと書かれたプラカードを持ってスローガンを叫んでいる。360度カメラで撮影=ペク・ソア記者//ハンギョレ新聞社

 31日に予定される本会議を皮切りに国会の立法日程が開始されるのを前に、検察改革法案、選挙制度改革法案の行方を分ける与野党の激しい神経戦が本格化している。交渉団体代表演説、政治交渉会議、本会議などの主要日程も順に予定されており、「チョ・グク事態」で硬直した局面の転換がなるかどうかを分ける分水嶺になるとみられる。特に29日は高位公職者犯罪捜査処設置法(公捜処法)の本会議提出の期限となるだけに、ファストトラック(迅速処理対象案件)法案をめぐり、与野党4党の「第2次連帯」が実現するかにも関心が集まっている。

■代表演説で始まる「休む間もない1週間」

 28日から3日間続く交渉団体代表演説では、共に民主党のイ・イニョン、自由韓国党のナ・ギョンウォン、正しい未来党のオ・シンファンの各院内代表が順に演壇に立つ。イ・イニョン院内代表は公捜処法をはじめ、検察改革法案の可決を重ねて求める予定だ。民主党関係者は「大統領施政演説で『公正』というキーワードが話題になっただけに、交渉団体代表演説でもこれを強調し、民生・経済法案の早急な処理を訴える予定」と述べた。

 ナ・ギョンウォン院内代表は「チョ・グク政局」に触発された対政府闘争の力を第20代国会の最後まで引っ張っていく考えだ。オ・シンファン院内代表も、「チョ・グク事態」をはじめとする文在寅(ムン・ジェイン)政権の経済・外交・安保・人事政策の失敗の原因を指摘すると予告した。31日に非交渉団体である正義党のシム・サンジョン代表の代表発言が終われば、本格的な法案採決が始まる。

■「最大の関心事」ファストトラックの行方は

 今週に予定されている争点の中で最大の関心事は、民主党が優先処理を予告した公捜処法案と、これに連係する選挙法改正案をめぐり、与野党が新たな妥協案を引き出せるかだ。ファストトラックに合意した与野党4党が韓国党の反発にどのように反応するかも注目される。ムン・ヒサン国会議長がそれぞれ28日と30日に主宰する交渉団体の院内代表定例会合と政治交渉会議(与野党5党代表会議)の結果が注目されるのはそのためだ。

 自由韓国党のナ・ギョンウォン院内代表は27日、国会で開かれた「文在寅政権前半期政策評価トークコンサート」に出席し、「この政権は新独裁国家を完成させるため、最後に選挙法を改正し検察を掌握しようとしている。院内代表として予算政局までファストトラック法案を食い止め、スーパー予算、財政浪費による『財政万能(主義)』を防ぐことが重要な課題となるはず」と強調した。

 一方、交渉団体3党の交渉のテーブルから疎外された少数政党は、与野党4党の協力を繰り返し求めている。特に正義党のシム・サンジョン代表はこの日、記者懇談会を開き、韓国党も賛成することを前提とした国会定数10%拡大を提案した。正しい未来党や平和党なども今年初めに「国会予算凍結を前提とした議員定数330議席への拡大」を提案している。与野党4党が議員定数の拡大を手掛かりに適切な接点を見出す可能性も開かれているわけだ。ただし韓国党は反対の意思を明確にしている。

 民主党は、公捜処法が本会議に自動提出となる29日までに韓国党、正しい未来党の交渉団体3党間の合意を引き出す計画だった。しかし、韓国党が公捜処法反対の立場を曲げないことから、「交渉団体3党会合」と「韓国党を除く与野党4党による第2次協力」のツートラック戦略を立てている。民主党が選挙法処理を保障して与野党4党の劇的な合意が実現すれば、公捜処法が31日に処理される可能性も排除できない。

■本会議上程法案164件…「最悪国会」の汚名返上なるか

 31日に開かれる本会議では、法制司法委員会全体会議を通過した法案164件が採決に付される。第20代国会の法案処理率は歴代の国会の中で最も低い29.4%(9月現在)にとどまっている。争点の法案は依然として与野党の意見の食い違いが大きい状況だ。

 31日に可決が予想される主な法案としては、高校無償化を骨子とする初等中等教育法改正案、地方教育財政交付金法改正案などがある。軍人として服務した人を調査委員の資格に追加する「5・18民主化運動の真相究明のための特別法改正案」、児童や青少年に対する性犯罪を発見すれば捜査機関に必ず通報しなければならない『通報義務者』の範囲を体育団体の長や従事者にまで拡大する「児童・青少年の性保護に関する法律改正案」も本会の審査を控えている。弾力勤労制(裁量労働制)の単位期間の拡大法案、幼稚園3法などは与野党の意見の隔たりが埋まらず、31日の本会議での可決は難しいと見られる。

ファン・クムビ、キム・ミナ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/assembly/914752.html韓国語原文入力:2019-10-27 19:08
訳D.K

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