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韓国検察、サムスンバイオのキム・テハン代表に逮捕状請求…最高位クラスに正照準

登録:2019-05-22 21:32 修正:2019-05-23 07:09
グラフィック//ハンギョレ新聞社

 検察の捜査を控え部下の職員に証拠を隠滅するよう指示した容疑で、サムスンバイオロジクス(サムスンバイオ)のキム・テハン社長とサムスン電子事業支援TF所属の高位役員に対する拘束令状が請求された。また、サムスンバイオの子会社であるサムスンバイオエピス(サムスンエピス)が昨年、検察の捜査を控えて「副会長通話結果」 「副会長報告」などのファイルをパソコンから削除していたことが分かった。数年にわたるサムスンバイオの規模拡大が、イ副会長側との調整や指示の中で進行された可能性を示唆する内容だ。

 ソウル中央地検特捜2部(部長ソン・ギョンホ)は22日、キム代表とグループのコントロールタワーの役割をするサムスン電子事業支援TFのK副社長、サムスン電子のP副社長に証拠隠滅教唆の容疑を適用し、逮捕状を請求したと明らかにした。キム代表らは、サムスンバイオ会計詐欺事件で拘束令状が請求された人々の中で現在までで最高位職だ。

 これに先立って検察は、サムスンバイオが工場の床下に隠匿したノートパソコン数十台と共用サーバーを捜し出すなど、会社側の組織的な証拠隠滅を確認し、サムスンエピスのヤン・チョルボ常務と社員のL氏を証拠隠滅の疑いで拘束起訴した。また、同じ疑いで8日午後にサムスン電子事業支援TF所属のP常務と保安先進化TF所属のS常務も拘束され、起訴を控えている。

 17日に拘束起訴されたヤン・チョルボ常務の起訴状には、昨年7月に証券先物委員会がサムスンバイオを検察に告発すると、財経チームの社員に会社のパソコンに保存されたファイル2100個余りを削除するよう指示した容疑が含まれたが、この中には「副会長通話結果」 「バイオジェン社提案関連対応策(副会長報告)」というタイトルのフォルダもあったことが確認された。財経チームの社員は、このフォルダをはじめ共用フォルダ内にあった「サムスンバイオエピス上場計画公表方案」 「上場延期にともなう対応策」 「上場および持分構造関連」 「バイオシミラー開発会社上場現況」など、1GB相当のファイルを削除したという。検察は、デジタル・フォレシック作業で削除されたファイルの大部分を復旧したという。

 「副会長通話結果」フォルダを削除したことと関連して、捜査チーム関係者は「サムスン内部で『副会長』と呼ばれる人はイ・ジェヨン・サムスン電子副会長のほかにはいない」と話した。粉飾会計などがイ副会長側との直接的な調整や指示もとになされた可能性を念頭に置いていることを表わしたということだ。

 これに対してサムスングループは「削除したというフォルダには、粉食会計関連内容ではなく会社の設立過程など一般的な業務報告内容が入っていたと理解する」と釈明した。削除した理由は「(漠然と)憂慮の恐れがあるから削除しただけのことだ。粉飾会計や経営権継承関連証拠があって削除したのではない」と話した。

 だが、グループ次元の組織的な証拠隠滅事実が相次いであらわれ、指示者(サムスンバイオ役員)と実行者(実務者)が事実関係をめぐりそれぞれ異なる主張をして衝突しているという。検察関係者は「(実務者級の)被調査者らは、(証拠隠滅が)事業支援TFの指示に従ったものであることをほぼ認めている状況」と話した。一方、21日まで3日連続で検察の調査を受けたサムスンバイオのキム・テハン代表は、証拠隠滅指示などを全面否定しており、その結果、拘束令状の請求につながった。

 実務者級の被調査者らが会社次元で選任されたキム&チャン所属弁護士の弁護を拒否したりもしたという。自分たちの代わりに会社側の弁護に重点を置くことを憂慮するためだ。

 検察は、証拠隠蔽の捜査を近く終え、復旧した証拠などをもとにこの事件の核心である会計詐欺疑惑の捜査に着手する方針だ。イ・ジェヨン副会長の最側近といわれるサムスン電子事業支援TFのチョン・ヒョンホ社長を召喚調査する方針も固めた。「イ・ジェヨン-チョン・ヒョンホ」関係は、かつての「イ・ゴンヒ-イ・ハクス」関係に例えられる。そのため、イ・ジェヨン体制の最側近に対する調査は、イ副会長に対する召喚調査が“可視圏内”に入ったという信号であると解釈される。

イム・ジェウ、ソン・ギョンファ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/894849.html韓国語原文入力:2019-05-22 20:30
訳J.S

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