正義党の支持率上昇が続いている。
世論調査機関「リアルメーター」は9日に公開した政党支持率調査で、正義党が創党以来歴代最高の10.4%を記録したと明らかにした。先週初めて2桁の最高値(10.1%)を記録したのに続き、1週間で自らの最高値を更新したのだ。6・13地方選挙後3週間、大幅に支持率が下落した共に民主党と異なり、正義党が6週連続の支持率上昇の勢いを維持できる理由は何だろうか。
第一に、各種の争点について正義党が提示した“鮮明な対策”が挙げられる。リアルメーターのクォン・スンチョン調査分析室長は「正義党の浮上は国会議員の特殊活動費や企業の横暴問題、機務司令部の政治介入疑惑など、いくつかの争点懸案で、国民の目線に合わせたより鮮明な対策を提示していることによるものとみられる」と分析した。クォン室長はさらに、「特に特殊活動費の場合、ノ・フェチャン院内代表が2カ月分を返却した」とし、「正義党が特殊活動費問題を主導している」と説明した。これは最近、最低賃金法の改正など、やや右に傾いたような姿勢を示している共に民主党の政策決定とも関連がある。進歩政策をめぐり競い合っている政党のうち、一方が保守側に傾くと、自然に残りの政党の“鮮明性”が浮き彫りになる側面があるからだ。「オピニオン・ライブ」のユン・ヒウン世論分析センター長は「進歩的傾向の共に民主党が政権与党になり、進歩性向層のほかに国民全体を考慮した政策決定を余儀なくされる位置に変わった」とし、「これは最低賃金や最近の不動産政策などにおいて、進歩的性向が強い有権者がより進歩的性向の明確な政党への支持を表明する要因になっている」と話した。
実際、共に民主党の支持率下落は正義党の支持率を押し上げる要因として作用した。共に民主党の支持率は、今回のリアルメーターの調査で47.5%を記録し、3週間前(57%)より9.5%pも下落した。特に下落した9.5%pのうち、3.5%pが正義党に移動したことが分かった。「ザ・モア」のユン・テゴン政治分析室長は「共に民主党の限界線が過去よりも右へ広がった」とし、「共に民主党が中道・保守側に(支持層を)拡大すると、共に民主党の左側が正義党に移動する構造」だと説明した。
第二に、6・13地方選挙で“保守への審判”がある程度終わったという認識から、進歩支持層が“安心して”正義党を支持できるようになった点が挙げられる。ユン・ヒウンセンター長は「今回の地方選挙が、大統領選挙とセットで行われたという側面で、保守政治勢力に対する審判が終わったという認識が形成され、進歩性向の有権者らの緊張が解けた」とし、「自分の政治性向に合う政党への支持を表出しやすくなった状況的な変化があった」と話した。
正義党の支持率上昇はいつまで続くだろうか? 専門家らは短期的には上昇の勢いが続くものと見ている。クォン・スンチョン室長は「正義党が10%台を相次いで記録したのは、安全性の側面で意味が大きい」とし、「共に民主党から離脱した支持層が(共に民主党に)回帰するという見通しについては多少否定的だ。その面で、正義党の支持率自体が比較的安定性を持つようになるだろう」と話した。
ソ・ボクキョン西江大学現代政治研究所研究教授も「正義党が大きく空振りをしない限り、支持率が15%まで上がる可能性もある」と話した。さらに、「共に民主党が過去のように進歩的な声を上げ続けるのが難しい状況であるうえ、全党大会を控えて予想される問題も政権与党のマイナス要因として作用するだろう」とし、「政権与党が進歩的な路線を明確にすべきと考える有権者が、正義党に力を持たせることで、(進歩イシューをめぐる)上昇効果を誘引することも考えられる」と説明した。
しかし、専門家らは、正義党の支持率を2020年の総選挙まで安定的に維持するためには、正義党自らの“力量の強化”が欠かせないと助言した。ソ教授は「交渉団体を作れるまでに躍進するためには、授権能力がある野党として認められなければならない」とし、「人材プールを充実させたり、院内への対応などで責任ある野党としての役割を果たすなど、これから2年間で能力を証明をしなければならない」と指摘した。
現在の6議席から支持率に見合う議席を獲得するためには、選挙制度改革も必須的だ。支持率10%をそのまま議席数で換算すると、正義党が得られる議席数は30議席となる。歴代総選挙で記録した支持率6~7%だけでも、20議席は十分獲得できる。地域区で1位だけが当選する小選挙区制から、政党支持率と議席数を連動させる「連動型比例代表制」に変えることが必要なのもそのためだ。
今回のリアルメーターの調査は7月2日~6日まで5日間にわたり、全国19歳以上の有権者2504人を対象に行っており、95%の信頼水準に標本誤差は±2.0%pだ。