韓国社会をどう思いますか?
半分以上が「よくなった」と回答
すべての分野46%、政治17%の順
「悪くなった」との回答者は13%
あなたの暮らしをどう思いますか?
「よくなった」22%、「悪くなった」14%
老後、雇用、子どもの教育の順で心配
「社会はよくなっていると感じるが、
それぞれの経済的状況は変化なし」
「漠然とした希望と具体的な大変さ」
ハンギョレがろうそく集会1周年を迎えて実施した調査で分かった社会と個人の暮らしの変化に関する世論は、このように要約される。この1年間、社会がよくなったという共感は広がったが、それぞれが向き合っている現実の大変さは不動だった。
「この1年間の韓国社会についてどう思いますか」という問いに、回答者の半分以上の54.6%は「よくなった」と答えた。「悪くなった」という回答(12.5%)の4倍以上だ。「そのままだ」という回答は31.0%だった。韓国社会がよくなったという回答は、文在寅(ムン・ジェイン)大統領支持層や進歩層で特に高かった。5・9大統領選挙で文大統領に投票したという回答者のうち、74.4%が「よくなった」と回答しており、平均より20%ほど高かった。自ら進歩性向だと回答した階層も76.3%が「よくなった」と回答した。一方、自由韓国党支持層では社会がよくなったという回答が12.6%に過ぎなかった。半分ぐらいの46.6%が「悪くなった」とした。
社会がよくなったと回答した546人に「どの分野がよくなったのか」と聞いたところ、「全般的なすべての分野」という回答が46.2%を占めた中、政治(17.0%)、福祉・教育など社会(16.1%)、文化(6.2%)、雇用・所得などの経済(5.5%)の分野順と現れた。社会が悪くなったという125人に「どの分野が悪くなったのか」と聞くと、「全般的なすべての分野」(39.2%)に続き、外交・安保分野(20.0%)という回答が最も多かった。北朝鮮の核・ミサイル発射実験とTHAAD(高高度ミサイル防衛)配備による朝鮮半島の緊張の高まりと、韓中関係の悪化などが影響を及ぼしたものとみられる。続いて雇用・所得などの経済(16.0%)と政治(13.6%)が「悪くなった分野」に選ばれた。
しかし、社会的変化を概ね肯定的に見た回答者らは、個人の暮らしの変化を問う質問には大きな疑問符をつけた。「この1年間のあなたの生活についてどう思いますか」という問いに「よくなった」という回答は21.8%に止まった。一方、「そのままだ」という回答は63.7%に達した。「悪くなった」という回答は14.0%だった。
個人の暮らしが1年以前よりもっと悪くなったと回答した140人は「どのような面で悪くなったのか」という質問に厳しい現実を挙げた。「雇用・所得など経済的な側面」が悪化したという回答が64.3%に達した。このような認識は「現在の生活で一番心配なのは何か」という質問で、さらに具体的な姿を示した。回答者は心配事として、老後(22.4%)や就業・失業など雇用(16.3%)、子女教育(12.5%)、住宅購入・賃貸など住居(11.8%)などを挙げた。個人の暮らしが1年前よりよくなったという回答者218人は、改善した分野に「政治・社会雰囲気など心理的な側面」(52.3%)を最も多く挙げた。社会の雰囲気は1年前の朴槿恵(パク・クネ)・チェ・スンシル国政壟断の事態で「これが国か」という状況からいち早く脱しているが、個人の暮らしの変化ははるかに遅れて起きていることを示している。
チョン・グァンチョル韓国リサーチ世論調査本部長は「社会制度や雰囲気は何か良くなっていると感じるが、各自の経済的状況は大きな変化がないため、社会と個人の暮らしの変化を判断する違いが生じたようだ」と語った。
■今回の調査はどのように実施したか
調査機関:韓国リサーチ
日時:2017年10月27~28日
対象:全国19歳以上の男女1000人
調査方法:構造化されたアンケート用紙を利用した任意電話かけ(無線816人、有線184人)方式の電話面接
重み付け方式:2017年9月、行政安全部発表の住民登録人口基準で、地域・性別・年齢別重み付け
回答率:16.5%(電話をかけた6058人のうち1000人が回答済み)
標本誤差:95%の信頼水準で±3.1%p
詳しい事項は中央選挙世論調査審議委員会のホームページ(nesdc.go.kr)参照