起訴猶予処分を受けた29人が起こした訴訟で
「時効過ぎた」と原審を破棄する判決
大法院(最高裁)が、全国民主青年学生総連盟(民青学連)事件で違法に拘禁された一部の被害者たちに、国が賠償する責任がないと判決した。損害賠償を請求できる期間が過ぎたという判断だが、不幸な過去の事件に対する国の責任を無視した判決との批判も起きている。
大法院1部(主審イ・ギテク大法官)は7日、アン・ビョンウク・カトリック大学教授(68)など、民青学連事件の被害者29人が国に対して起こした訴訟で、「国が10億9500万ウォン(約1億290万円)を賠償する」よう命じた原審を破棄し、事件をソウル高裁に差し戻したことを明らかにした。アン教授など原告29人は、1974年令状なしに逮捕され、最長141日まで不法拘禁されたが、起訴猶予処分を受けて釈放された。当時の朴正煕(パクチョンヒ)政権は、不穏勢力に操られて国を転覆しようとした疑いで、180人以上の学生を拘束起訴した。過去事委員会は、民青学連事件を再調査し、2005年12月に「歪曲された学生運動弾圧事件」だと発表した。大法院は2010年、12・16緊急措置第1号を違憲・無効と判断したことを受け、アン教授らは、2012年に国に対し損害賠償請求訴訟を起こした。
大法院1部は「不法逮捕・拘禁状態が終了した後、訴訟の提起まで37年以上が経過したことなどから、被害者が国に対する損害賠償請求権を行使できない客観的な障害事由があったとは認められない。国に国民を保護する義務があることだけでは、国が消滅時効の完成を主張することが、信義誠実の原則に反する権利の乱用とは言い難い」として、国の責任を認めなかった。
韓国語原文入力:2016-04-07 19:46