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裏金疑惑捜査で最初の難関は慶尚道道知事の逮捕状請求

登録:2015-05-08 21:37 修正:2015-05-09 06:51
8日午前、検察の「ソンワンジョン・リスト」特別捜査チームに召還されたホン・ジュンピョ慶尚南道知事。「“砂時計検事”が被疑者として検察に来たので関心が高い。今の心境は?」と質問されると取材陣を押し退けて庁舎に向かった=キム・ソングァン記者//ハンギョレ新聞社

 「大企業のオーナーであり国会議員を務めた人が金を渡したというメモと通話録音を残して自殺した。 中間伝達者という人も間違いなく渡したと言う。(有無罪の)最終判断は裁判所が行うが、検察としては起訴しないはずがない」。

ソンワンジョン前京南(キョンナム)企業会長から1億ウォン(2011年のレートで約700万円)を受け取った疑いで捜査を受けているホン・ジュンピョ慶尚南道知事の事件と関連して、検察高位関係者がした話だ。 8日、検察に出頭したホン知事が疑惑を認めようが否認しようが、起訴は避けられないというのが検察内外の雰囲気だ。 いわゆるソンワンジョン・リストに名前があがった与党の有力人物8人のうち、唯一現金の伝達者と伝達過程が具体的に確認されたホン知事を起訴できなければ、残りの人々は召還すら難しくなり、現実的にも起訴は既定事実化されつつある。

 結局、残った問題はホン知事の拘束令状を検察が請求するか否かだ。 現在明らかになっている不法政治資金1億ウォンを受け取ったという容疑だけでは令状請求の可能性は高くない。 政治資金法違反事件の場合、検察は2009年以後特別な事情がない限り、授受額が2億ウォン以上の場合にのみ逮捕状を請求してきたためだ。 問題はホン知事が中間伝達者であるユン前京南企業副社長の陳述懐柔に関与した情況が出てきた点だ。 虚偽陳述の強要はそれだけでは証拠隠滅罪には該当しないが、拘束捜査の理由にはなりうる。逮捕状発給の根拠の一つ「証拠隠滅および逃走憂慮」に該当するためだ。

 これに先立ち捜査チームは、ホン知事の側近であるキム・ヘス元大統領府政務秘書官とオム氏がユン氏を懐柔しようとした発言がそれぞれ録音されたファイル2つを確保した。 この録音ファイルにはホン知事の関与を暗示する内容が含まれていると伝えられた。 オム氏は先月中旬にユン氏と通話して「ホン知事に頼まれて電話した。1億ウォンをナ補佐官に渡したと述べてもらえないか。すでにそちら(ナ補佐官)とは話がついている」と話したという。

 キム元秘書官も先月中旬、ソウルの新羅ホテルにユン氏を呼び出して「リストに名前が上がった複数の人物が含まれた対策会議を開き、全て口裏を合わせた。あなた一人が捜査に協力したからといっても状況は変わらない」という趣旨の話をしたという。 ホン知事らが参加した対策会議で下した決定により自分がこのような話を伝えているという趣旨に聞こえる発言だ。

 検察首脳部はホン知事の逮捕状請求に慎重な立場だ。ある検察高位要人は「調査をしてみて正確な判断ができるだろうが、金額が2億ウォンに満たないので一応不拘束起訴の可能性が高い」と話した。 また別の高位要人も「ホン知事の令状(を請求すること)は難しい。 ホン知事が関連者を懐柔し脅迫したということを明らかにすることが容易でないためだ」と話した。 だが、捜査チームは今までにあらわれた懐柔試図情況だけでも拘束令状を請求しなければならないという強硬意見を出したと言う。 この日、捜査チームはホン知事が陳述懐柔に関与したか否かを集中的に調査したという。

 ソウルのある部長判事は「金銭を渡したという人の陳述があり、(それを覆そうとする)陳述懐柔に関与した情況があるならば、令状請求は十分に可能だと思う」として「このような場合、事件に集中した国民的関心を勘案すれば、裁判所としても令状の棄却は容易でないだろう」と話した。

キム・ウォンチョル、ソ・ヨンジ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/690427.html 韓国語原文入力:2015-05-08 20:57
訳J.S(1803字)

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