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[週刊ハンギョレ21] 韓国の政治は1987年以降、どこまで進んだか(1/3)

登録:2015-02-25 23:52 修正:2015-03-01 08:15
1987年6月、市民がソウル明洞聖堂前で「民主憲法を争取して民主政府を樹立しよう」という横断幕を持ち街頭デモを行っている。 市民の要求で大統領直選制改憲がなされたが、彼らが願った真の民主化はまだはるかに遠い。パク・スンファ記者//ハンギョレ新聞社

 2月8日、新政治民主連合党の新任代表に文在寅(ムン・ジェイン)議員が選出された。 文議員は第一声で「民主主義庶民経済を破綻させ続けるならば、朴槿恵(パク・クネ)政権との全面戦争を始める」と話した。就任後の2年間、人事惨事、福祉公約後退、側近の国政介入疑惑などを起こし支持率最低状況を迎えている朴大統領に対する宣戦布告であった。 表面的に見れば、2012年大統領選挙当時に形成された鮮明な与野党対決構図が再現されそうだ。 しかし、現在新政治民主連合の状況ははるかに複雑だ。

 2015年現在の大韓民国の政治は全体的な危機を迎えている。昨年12月、憲法裁判所によって統合進歩党の解散が決定された後、進歩勢力は死亡宣告を受けたも同然だ。 第一野党である新政治民主連合は、政府と与党の支持率が下がり続ける状況でもまともな代案勢力として浮上できずにいる。 政権与党のセヌリ党も支持率急落など朴槿恵政権発足以来、最大の危機を迎えている。 有権者はこれらのすべてに背を向けて、無党派層になっている。 2015年は進歩勢力にとってはもちろん、与野二大政党にとっても重要な転換点になる年だ。

 週刊ハンギョレ21は与野党を含め韓国の政治体制がこのような危機を迎えている原因を“権威主義”に求めた。 韓国は1987年の民主化運動を契機に大統領直選制が導入された以後、政党間の自律競争が本格化するなど民主主義の制度化がある程度実現したのは事実だ。 韓国が“民主主義社会”であることに文句をつける人はいないだろう。 問題は制度が変わっただけで、韓国社会のあちこちに根をおろしている権威主義は清算できなかったという点だ。 中でも韓国の政党システムについてみれば、権威主義時代に作られた“保守的二大政党システム”がより一層強固に根付いているという点で後進性を抜け出せずにいる。 このような閉鎖的な政党体系の下で、韓国の政党は社会の多様な要求をまともに代弁できずにいる。 なぜそうなったのだろうか。 1987年以後の28年間に累積してきた政党政治の問題点を分析してみた。 _編集者

 1987年6月抗争で街頭に飛び出し“独裁打倒”を叫んだ人々は、民主化されればすべてが変わるという期待に胸を膨らませていた。 独裁を清算し大統領を直接選挙できるならば社会は変わるだろうと考えた。 しかし、その夢は民主化以後30年近くが過ぎた今日でも叶っていない。 労働者、中小商工人、就職活動学生など、庶民の苦痛は日増しに激化しているけれど、彼らは自分たちの利益を代弁する政党を依然として持てずにいる。 これは民主化以後に自律的な政党競争が始まった後にも、名実共に第3党に成長できなかった進歩勢力の失敗だけで片付けることはできない。 苦痛を受ける市民の要求をきちんと受け止め代弁出来なかった新政治民主連合やセヌリ党、すなわち大韓民国の政党全体の失敗だ。

■ 事実上保守しかいない政治的代表体制

 チェ・チャンジブ高麗大学名誉教授は、著書『民主化以後の民主主義』でこのような韓国の政治状況を「保守的民主主義」と定義した。 彼は「今日の韓国民主主義を保守的民主主義だと定義するのは、1980年代に巨大な社会運動を通じて成立した韓国の民主化が提起した様々な問題が依然として存在するにも関わらず、変化の契機は次第に弱まった反面、変化を拒否する力は一層組織化され強まったということを意味する」と述べた。

1997年、初めて政権交替に成功した金大中大統領が、1998年2月大統領就任式で手を振っている。 資料写真//ハンギョレ新聞社

 チェ教授はまた、韓国の政治体系を「保守的二大政党システム」と規定した。 彼は同じ著書で「韓国民主主義の最大の問題は、非常に狭隘な理念的代表体制、事実上保守のみを代表する政治的代表体制にあると見る。 内容的に保守偏向の政治構造は、民主化以後に変化するどころか、むしろ一層強化された」と分析した。 実際、韓国の政党システムの中で民主労働党の発足や安哲秀(アン・チョルス)新党のような第3党を作る勢力の試みは絶えずあったが、全て失敗したり群小勢力から抜け出せなかった。その結果、2015年現在の大韓民国では新政治民主連合とセヌリ党という“保守二大政党システム”がより一層強固になった。 これは韓国の政党システムが1987年以前の“保守二大政党システム”(韓国民主党・民主正義党)と全く変わっていないことを意味する。

 一部では新政治民主連合の理念指向は保守ではなく中道あるいは進歩だと評価する人もいる。 議員の理念指向を調べてみれば、新政治民主連合では自身を進歩に分類するケースが多い。 しかしこれが党外に表出される時は、対北朝鮮関係という分野を除けば社会・経済的には保守のセヌリ党と大きな差はないという見解が大多数だ。 パク・チャンピョ木浦(モクポ)大学教授は「経験資料を通じて一致する見解は『(両党間に)理念的差異はあるものの、それが対北朝鮮政策、南北政策という分野に限定されている』ということだ。 社会・経済政策では大差ない。 新政治民主連合の最大の問題がまさにそこにあると考える」と話した。 金大中(キム・デジュン)政権が国際通貨基金(IMF)外国為替危機を克服するために新自由主義的政策を受け入れた部分も、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権が経済成長に執着し両極化を深化させたのも、彼らの保守性を説明する。 現在政界で問題になっている“増税”論議だけを見ても、誰が新政治民主連合で誰がセヌリ党なのか区別できないほどだ。

ソンチェ・ギョンファ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/679093.html 韓国語原文入力:2015/02/21 13:25
訳J.S(2674字)

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