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牛乳を一日3杯以上飲むと死亡率が高まる?

登録:2014-11-18 19:42 修正:2014-11-19 07:22
牛乳。資料写真//ハンギョレ新聞社

 人間にとり最も完ぺきな食品と脚光を浴びてきた牛乳が、その独歩的な地位を脅かされている。 先月スウェーデンで、牛乳を一日3杯以上飲んだ場合に死亡確率が高まるという研究結果が出され、世界的に牛乳を巡る論争が続いている。

 そこで調べてみた。牛乳は飲むべきなのか、飲まないべきなのか?

 人類は生まれた瞬間から牛乳とのつきあいを始める。 正確に言えば母乳だが。 母乳が赤チャンにとって最も栄養価の高い食品であることは周知の事実。米国の小児学会はもちろん、世界保健機構や米国医学院をはじめとする多くの関係機関が2歳まで母乳の授乳を推奨する理由でもある。

 問題はそうとも言えない事実だ。母親が職場に復職したり、子供が保育園に行かなければならない場合、母乳の授乳は中断せざるをえない。そこで母乳の代わりに牛乳を与え始める。 ここで少し調べてみれば、哺乳類のうち幼児期以後も牛乳を飲むのは人類だけだ。

 ところで、最近人類の牛乳愛好に亀裂を生じさせる発表が相次いでいる。 牛乳が健康に役立たないばかりか、害になることもあるというのだ。

 2011年に『骨格とミネラル リサーチ ジャーナル』は牛乳摂取が中壮年の股関節骨折予防に役立つかどうかに関する研究を載せた。 20万人の女性を対象にした6つの実験で、牛乳摂取が骨折の確率を下げるといういかなる相関関係も導き出せなかった。 『アメリカ医師協会ジャーナル小児科学』は今年、約10万人の成人を20年以上にわたり追跡調査した結果を発表した。 この研究で実験対象者は、彼らが青少年期に飲んだ牛乳の量と、以後の股関節骨折との関係を調べ、牛乳が予防効果をもたらしたのかを調査した。 この実権でもやはり、骨折リスクが減ったという結果は得られなかった。

 最も熱い注目を集めたのがスウェーデンの研究だ。 先月『英国医学ジャーナル』に発表されたこの研究で、スウェーデンのウプサラ大学のカール・ミケルソン教授の研究チームは、20年間にわたり39歳以上の女性6万1000人と男性4万5000人を追跡調査した。 その結果、一日平均牛乳3杯(680ミリリットル)以上を飲む人は、そうではない人より心臓病などで亡くなる危険が2倍以上高いと明らかにした。 また、牛乳をたくさん飲む女性たちは、骨折率も高いと出てきたと発表した。

 牛乳の豊富な栄養価を証明するための実験でも、意図せざる結果が出たこともある。 2007年に米国の『臨床栄養学ジャーナル』はカルシウム摂取が骨折を減らす上でどのような影響を及ぼすのかを研究した資料を載せた。 34歳から79歳までの20万人以上がこの実験に参加したが、この研究でもカルシウム摂取が骨折を減らすのに役立つという結果は得られなかった。 また、当時6000人の中壮年を対象に、カルシウム補充剤が骨折に及ぼす影響を調べるために、一部にはカルシウム補充剤を、残りには「プラシーボ」を摂取させた。 この実験では、カルシウム補充剤が骨折を減らせないだけでなく、かえって股関節骨折率を高める可能性があるという結果が出た。

 米国インディアナ医科大学小児科教授アラン キャロルは「牛乳を含めて何でも適当に摂取することは何の問題にもならない」と話したと『ニューヨーク タイムズ』が伝えた。 キャロル教授は、「ただし多くの成人が牛乳を摂取しなければならないという証拠はなく、健康に役に立つという証拠もやはり十分でない」と付け加えた。

 しかし今でも米国農務省などでは、成人も少なくとも一日3杯以上の牛乳を飲むよう勧告している。

キム・ジウン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/664997.html 韓国語原文入力:2014/11/18 15:50
訳J.S(1784字)

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