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[世相を読む] 無理に塞げば弾ける/金東椿(キム・ドンチュン)

登録:2013-12-18 11:09 修正:2013-12-20 22:48
金東椿(キム・ドンチュン)聖公会(ソンゴンフェ)大社会科学部教授

 朴槿恵(パク・クネ)政権が失敗している。 去る大統領選挙の不正を隠すために、その主役である国家情報院を動員してほとんどすべての手段とカードを使ったが、ついに聖職者たちが大統領退陣要求まで持ち出した。 そして大統領府の誰かが国家情報院捜査を妨害するために、チェ・ドンウクを追い出したという証拠が再び明らかになっている。 ‘従北’追い込みのような恐喝や脅迫も度々使えばその効力を失う。 ‘個人の逸脱行為’だという内実が透けて見える言い逃れを信じる人はいない。 公務員の65%以上が去る大統領選挙で国家情報院が選挙に介入したと判断しているが、このような公務員たちが今後大統領の命令に従うだろうか? もう大統領選挙から1年が経った。 大統領の核心政策議題が提出され、実践されるべきだった時間がほとんど過ぎようとしている。

 この政権は本当に失敗だらけだ。 現在より更に議論の道を塞いで、聖職者たちとろうそくを掲げる市民、ストライキ労働者の抗議をひっ捕えようとして国を戒厳状態にするつもりなのか?

 民主党が失敗だらけだ。127人の国会議員がチャン・ハナ議員ひとりの役割も出来ずにいれば、この政党がなぜ存在しなければならないのか問い直されることになる。 国家情報院大統領選挙介入を意気高く攻撃することもできず、朴槿恵(パク・クネ)政権の相次ぐ公約放棄を批判しながら国家改革の大きな絵を提示することもできない。 ‘大統領選挙不服’の脅迫に萎縮して、大統領府の言いなりになり続けながら1年を送った。 このような野党に来年の地方選挙や2017年大統領選挙があるとも思えない。

 しかし本当に失敗したのは国民だ。 朴大統領が選挙の時に持ち出した創造経済も、経済民主化も、オーダーメード型福祉も、全て当選するがために急造された公約であることがほとんど明らかになったし、鉄道と病院も全て民営化しようとしていて、将来誰を信じて生きれば良いのか一寸先が見えない状態だ。 大統領の辞退を主張することは怖いし、仮に辞退しても後の道もよく見えないために本当に失敗だ。

 北韓の金正恩勢力も失敗だらけだ。 チャン・ソンテクを‘反逆者’として追い立てて、処刑して権力を安定させたと喜んでいるかも知れないが、それが1950年代に彼の祖父が南労働党延安派を除去した、あまりに古くて野暮ったい権力強化方法だということを北韓の人々は果たして分からないだろうか? どれほど不安で自信がなければこそ、あのような形で叔母の夫を電撃処刑しなければならなかっただろうか?

 だから南北韓の全てが失敗だらけだ。 世界の笑い話になっている。

 朴槿恵(パク・クネ)大統領は、国民の耳となり口となるべき記者たちと一度も対話したことがない。 自信がないのか、必要を感じないのか? ストライキに一度参加したからと労働者を職位解除する非常識な強硬路線が出てくる。 大統領府と国家情報院が政治をすべてして見た結果、本来の切迫した国内外政治・経済問題はまともに議論もされずにいる。 政治が失踪すると神父たちが‘政治’に乗り出した。 歴史はこのような状況は国が滅びる兆しだと教えている。 この時に外敵でも侵入すればすぐにも崩れる。 国民が支配者を信頼せず、ただ怖がって口を閉ざした国、そのような国は危機が迫れば権力者は逃げ出し、軍人は敵に投降し、義人は消え、賢人は能力を隠す。

 それでも‘社会’はまだ息をしている。 既成言論が国民の口を塞ぐ役割をすれば、今度は大字報が再登場した。 青年たちが動いているので、かすかでも希望が見える。 しかし今は60年4・19, 87年民主化の時期ではない。 国会の末っ子であるチャン・ハナ議員と大学生の大字報に歓呼する私たち大人たちは卑怯だ。 宗教・市民社会団体、社会の元老が全員立ち上がって、この‘失敗’の収拾策を提示しなければならない。 MB政権下のすべての不正、大統領選挙不法介入、そして大統領選挙不正捜査妨害疑惑に対する大統領の疎明と責任者処罰が行われなければならない。

 政権がこのように持ちこたえ続けながら、塞いでばかりいれば、手のほどこしようもなく弾けるかも知れない。

金東椿(キム・ドンチュン)聖公会(ソンゴンフェ)大社会科学部教授

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/615553.html 韓国語原文入力:2013/12/17 18:27
訳J.S(1864字)

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