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政府、原則から実用へ終盤転換…133日ぶり‘開城(ケソン)’よみがえる

登録:2013-08-14 21:24 修正:2013-08-15 07:21
14日開城(ケソン)工業団地総合支援センターで開かれた開城工業団地正常化のための第7次南北実務会談で、北側首席代表のパク・チョルス(右側)中央特区開発指導総局副総局長がキム・ギウン統一部南北協力地区支援団長を迎えて握手している。 開城/写真共同取材団

北韓-米国関係など韓半島関連情勢
金剛山(クムガンサン)観光再開 肯定的影響

 14日、開城工業団地の再稼働と関連した南北間の5項目にわたる合意は、当初の予想を覆すものだった。 政府が7次実務会談で原則を実質に切り替える果敢な選択を示したと評価できる。

 1~6次実務会談まで、わが国政府が執着してきた北韓の責任認定問題は、7次会談の合意文には内容自体が含まれなかった。 政府は北韓の責任認定を明文化する代わりに、再発防止を実質的に保障できる開城工業団地南北共同委員会の構成、開城工業団地国際化、3通問題解決など実質的成果を上げることに急旋回した。

 最も目につくのは開城工業団地の国際化だ。 北韓の責任認定を放棄する代わりに得たといっても信じるほどに、国際化の内容は豊富で具体的だ。 外国企業の誘致はもちろん、労務・税務・賃金・保険など制度を国際化し、開城工業団地製品を他国に輸出する時に特恵関税を認められるよう南北が方案を用意し、さらに共同で海外投資説明会まで開くことで合意した。

 これは何よりも朴槿恵大統領の特別な関心が反映されたと見ることができる。 北韓が永くタブー視してきた開城工業団地の国際化を朴大統領は開城工業団地の発展と稼動中断再発防止の核心として要求してきた。 責任認定問題で共同責任論を前面に出して頑固な立場を見せていた北韓は、国際化と関連しては大幅に譲歩した。

 今回の合意書にはこれまでわが国政府が繰り返し要求したが、北韓が受け入れようとしなかった開城工業団地南北共同委員会の構成・運営と3通問題の解決が全て含まれた。 国際化と同じように、北韓の責任認定と再発防止策をテコにして勝ち取った成果と評価できる。 常時的通行とインターネット・移動電話、通関簡素化など、特に3通問題の解決は開城工業団地の発展と関連して核心的役割を果たすことができると予想される。

 これと共に、南北が開城工業団地正常化に原則的合意をしたことにより、これまでガチガチに凍りついていた南北関係と北韓-米国関係など、韓半島情勢全般にも肯定的影響を及ぼすものと展望される。 紆余曲折の末になされた今回の合意で、南北は離散家族対面などの人道主義問題や5・24措置解除、金剛山(クムガンサン)観光再開など他の南北間経済協力などの問題も南北協力次元で解決していく糸口を用意した。

 今回の合意により開城工業団地南北共同委員会が構成され、開城工業団地正常化が可視化すれば、これら問題に対する議論もまもなく水面上に浮上する可能性が大きい。 政府もこれまで開城工業団地の正常化から解決し、以後に他の南北関係争点を解いていくという立場を明らかにしてきた。

 南北関係の改善は北韓-米国関係など北韓の対外関係にも肯定的な影響を及ぼし、6者会談再開などにつながるものと見られる。 北韓は去る4月、韓-米軍事訓練が終了した以後に積極的な対話攻勢を繰り広げてきた。 しかし北韓のこのような柔軟ジェスチャは核問題と関連した北韓の先行措置と南北関係改善などを要求する米国の冷たい反応に直面せざるを得なかった。 このような状況で南北関係の改善は、北韓が対米接近に有用な論理的根拠を提供するものと見られる。 南側もこれまでの北韓-米国関係改善に消極的だった態度から抜け出し、より積極的な役割をする余地も広がった。 こうなる場合、米国も6者会談の前提条件として北韓の誠意ある措置要求もやや緩和する可能性がある。

パク・ビョンス先任記者、キム・キュウォン記者 suh@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/599639.html 韓国語原文入力:2013/08/14 21:56
訳J.S(1671字)

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南北 20日ぶりに膝を交えて…北 "トウモロコシの収穫が始まった"

会談場風景

午後 接触延期 一時は緊張
北側の修正案検討のためと知らされ
"雰囲気は悪くない" 伝言も
北側記者 会談場撮影など関心
"会談合意してこそ光復節うれしく迎えられる…"

"トウモロコシの初物の収穫が始まりました。"

14日、開城(ケソン)工業団地正常化のための7次実務会談に参加した北側関係者は、この頃北韓の農村ではとうもろこしの収穫が真っ最中だと伝えた。

 実務会談の北側首席代表であるパク・チョルス中央特区開発指導総局副総局長の冒頭発言も‘収穫’に重きを置いた。 パク副総局長は「ちょうど20日ぶりに会ったが、天候も大きく変わって、雰囲気も大きく変わったと考える。 キム団長(南側首席代表のキム・ギウン南北協力地区支援団長)と私が、そろって工業地区を巡り助け合いをする上で、天気も良く互いに草取りをすれば本当に良い収穫になりそうだ」と話した。 去る7日、開城工業団地正常化のための前向きな内容を盛り込んだ北韓祖国平和統一委員会(祖平統)の特別談話の雰囲気をそのまま伝達したわけだ。

 これに対しキム・ギウン団長は「今日、7回目のこのように向かい合って座ること自体が、我々南北代表が扱わなければならない問題がそれほど容易ではない問題だということを示している」として緊張を緩めなかったが、一貫して険悪な雰囲気の中で進行された先月25日の6次会談とは違い、比較的友好的な雰囲気から出発して会談の展望を明るくした。

 会談は午前10時ちょうどに始まり、30分後に全体会議を終えた。 午前11時からは南北首席代表間会談を持った。 午後の2次首席代表接触は当初午後2時に始める計画だったが、北側の要請により1時間50分遅れた。 これによって何か問題があるのではないかという憂慮が出回ったりもしたが、すぐにソウル三清洞(サムチョンドン)の南北会談本部には「会談の雰囲気は悪くない」という便りが伝えられた。 南側が午前に提案した修正案を巡って、北側で真剣に検討するために会議の再開が遅れたという説明が後に続いた。 南北は午後3時50分に2次、午後5時25分に3次首席代表接触を持った。 6次会談までとは違い、午後5時を過ぎても接触が継続していることも会談結果にとって青信号と解釈された。

 この日の会談は北側からも記者2人がカメラマンを動員して会談場を撮影するなど強い関心を見せた。 北側関係者は南側記者たちが会談の展望を尋ねると「今回の会談が合意してこそ光復節をうれしく迎えられる。 南側は今回の会談が成功することを願っているか」として南側の反応に関心を示した。 この関係者は‘開城工業団地の勤労者たちが今どこにいるか’という質問には「全員が適材適所に配置されて仕事をしている。 我々は社会主義国家なので工場が稼動すれば、すぐに投じることができる」として、交渉の妥結に対する期待感と準備状況を説明した。

 別の北側関係者は、会談の展望と関連して「南側が午前に肯定的に応えたようだ。 6次会談の時と較べて変化した内容で提示したものと見られる。 パク・チョルス団長の表情が元気そうだ」と話した。

 先立ってこの日の朝7時頃、南側会談代表と実務陣、記者たちを乗せたバスが出発したソウル三清洞(サムチョンドン)の南北会談本部前には、開城工業団地の正常化を望む開城工業団地入居企業代表など関係者たちが‘必ず正常化に合意して来てください’と書かれたプラカードを持ち会談の成功を祈った。 バスが通過する京畿道(キョンギド)坡州(パジュ)の統一大橋前にも入居企業関係者たちが‘私たちは仕事をしたい’というプラカードを振って開城工業団地の正常化を促した。

キム・ナムイル記者 namfic@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/599622.html 韓国語原文入力:2013/08/14 20:37
訳J.S(1797字)

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