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‘無理な親切’感情労働者 人権侵害 深刻

登録:2011-11-30 07:44

原文入力:2011/11/29 21:44(1618字)
パク・ヒョンジョン記者


顧客暴言にも無条件にこらえろ…膀胱がはじけそうでも顧客用トイレは使うな…
人権委、労働者29人にインタビュー
会社、監視しながら責任は回避
消費者、苦衷知りながらうっぷん晴らし


←デパートが‘顧客便宜’を掲げるほどデパート労働者の労働強度は強くなる。‘華麗の象徴’であるデパートを注意深く覗いて見れば、感情労働に苦しめられ、そこそこの休憩室一つとしてない労働環境で働く労働者が見える。 <ハンギョレ21> ユン・ウンシク記者


デパートの化粧品売り場で19年にわたり仕事をしているチョン・某(36)氏は、6年前に顧客の前でひざまずいた記憶を今も忘れることはできないと語った。 ショッピングバッグをくれといったある女性に‘100ウォンを出して買わなければならない’という規定を案内した結果だった。腹を立てたその女性客はぞんざいな言葉で大声を上げひざまずけと要求した。このようなとんでもない不満にもデパート側は反対に販売社員に黙って従うように合図する。

デパート側が販売社員の勤務態度をこっそりとチェックし、それを根拠にテナント業者に販売社員の交替を要求することもあり、チョン氏はマニュアルに従い挨拶の角度、表情、視線処理などを常に気を遣わなければならない。 彼女は自身が体験したことを夫にも打ち明けられず独りで泣くことが茶飯事だ。


チョン氏は「2000年以後、流通業社間の競争が熾烈になり親切サービス強要も激しくなった」として「会社は私たちの苦痛に耳を傾けない」と話した。


無礼な消費者と機械的な親切だけを強調する会社との間で女性サービス労働者らの人権侵害実態が深刻なことが分かった。


国家人権委員会は29日‘感情労働’(顧客満足のために自身の感情を抑制し親切を維持しなければならない)をするマート販売員、コールセンター相談員など女性労働者29人に深層インタビューした結果を発表した。昨年基準で販売・サービス分野で働く女性労働者は約301万人に達する。


インタビューで労働者は消費者が暴言を言ったり、さらには物を投げても無条件にこらえなければならないため心理的に萎縮し自尊感が落ちると訴えた。また、休息や食事時間もとても足りないと調査された。


デパート売場の販売社員であるイ・某(21)氏は「休む空間がなく階段や廊下で休む」として「数百人が仕事をする空間で女子用トイレはせいぜい2つで、会社側では顧客用トイレは使わないよう要求している」と吐露した。また、彼女らは会社側が挨拶、語り口、表情管理などは機械的に教育し監視しながらも、自分たちが顧客から受ける被害に対しては責任を回避していると指摘した。


消費者は女性労働者たちのこういう苦衷を知りながらも‘うっぷん晴らし’をしていることが明らかになった。人権委が去る10月、首都圏市民303人をアンケート調査した結果によれば、回答者の22.3%が女性サービス労働者にうつ憤を晴らしたことがあると答えた。しかし回答者の81.2%は女性サービス労働者の苦衷を知っていたし、57.7%は腰を深く曲げた挨拶を受ける時に快く思わないと答えた。


人権委のカン・ウンスク調査官は「外国では我が国のように女性サービス労働者を過小評価し、無理な親切を要求するケースはない」として「休憩施設設置義務化やコールセンターの応対件数制限など、感情労働を減じられる保護装置が用意されなければならない」と話した。人権委はこの日<女性感情労働者人権ガイド>を発刊し事業主らに配ることにした。
パク・ヒョンジョン記者 saram@hani.co.kr


原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/507792.html 訳J.S