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協同組合銀行が投資家所有銀行よりはるかに安全だ

登録:2011-11-02 09:09

原文入力:2011/11/01 21:35(1669字)
ィム・ヒョンデ記者


アジア未来フォーラム演説者に聞く④


←ジョンストン バーチェル スターリング大学教授


スコットランド スターリング大学のジョンストン バーチェル(60)教授は世界協同組合界の碩学で、国内では<21世紀の代案、協同組合運動>という著書が翻訳されている。バーチェル教授はフォーラム二日目の16日‘新しいキーワード、協同組合’セッションで‘協同組合は資本主義危機の対案になりえるか’という大きな主題を扱う。電子メールで彼と考えを交わしてみた。

-2008年グローバル金融危機以後、資本主義の危機が深刻化されている。協同組合が対案になりえると考えるか?


 "そう思う。特に金融分野で協同組合の役割が際立っている。 (第1金融圏の)多くの協同組合銀行と(第2金融圏の)信用協同組合は(グローバル派生金融商品投資ではなく)組合員が暮らしている地域で組合員のための小口金融に集中している。リスクが低い代案金融の役割をすでに十分にやり遂げている。 農業分野では協同組合が唯一の現実的代案であり、小売業では消費者協同組合が大型スーパーマーケットチェーンの寡占に対抗できる最も効果的な代案だ。 労働者が企業を所有する労働者協同組合は良質の働き口創出に寄与する。"


-協同組合が経済危機に特別に強い理由をどのように説明できるか?


 "組合員所有企業という協同組合の属性自体が資本主義の通常の投資家所有企業よりリスクに強い体質を作る。協同組合は株式会社のように株式を取引し投資利益を追求しない。 素早く多くの金を儲けるために組合員を犠牲にする経営をしない。 協同組合は景気と関係なく持続可能な方式で事業を行う。 そのように暮らしを営める道を提示する。 ヨーロッパの大多数の協同組合銀行は金融消費者の手で作られた。 協同組合銀行が通常の投資家所有銀行よりはるかに安全だという事実が知られるようになり、速い速度で成長してきた。私が特定銀行のサービスを利用する顧客であり同時に株主だと想像してみなさい。 理事会構成員も私の手で選出する。その銀行がどれほど安全だろうか? 忠誠顧客が増えないだろうか?"


-協同組合は資金調達などに構造的弱点があるという指摘を受けているが。


 "外部資金調達が難しいのは事実だ。株式取引差益を期待できないから、外部の投資家が関心を持つ訳がない。 それで多くの協同組合は内部積み立てに寄り添うほかはない。 こういう弱点を克服できる方法は二種類だ。 自ら銀行を作り地域住民の預金を誘致したり、組合員の出資を増やす方法だ。"


-韓国では協同組合で企業ができるという認識自体さえよく形成されていない。


 "韓国だけがそうなのではなく一般的な現象だ。人々は投資家が所有する資本主義企業の他には事業をできる方法がないとよく思っている。 目の前でうまく経営されている協同組合を見ていながらも(協同組合だと)認識できていない。 経済学や経営学を教える専門家たちに問題が大きい。 農業と金融、小売業などの色々な事業分野で協同組合が重要な役割をしているという事実に無関心だ。 簡明なメッセージ伝達を通じて協同組合をやさしく広報し理解させられる方法を見つけなければならない。" バーチェル教授は英国オックスフォード大を出てヨーク大で博士学位を取った。住宅組合実務責任者などを歴任し、1998年には明治大学の招請で日本を訪問し、日本の協同組合運動を見て回った。 彼は「協同組合は社会的企業より更に大きな範疇の概念」とし「協同組合は時に社会的目的を追求するが、基本的な役目は組合員の要求を充足させることにある」と強調した。


キム・ヒョンデ先任記者 koala5@hani.co.kr


原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/503580.html 訳J.S