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「韓米同盟」中国牽制地域同盟に変容の兆し

登録:2011-10-10 07:45

原文入力:201110/09 20:02(1394字)
ソン・ウォンジェ記者

韓米「次官補級協議チャンネル構築」提案受け入れ
対北朝鮮抑止から変容…韓中関係悪影響予想

←カート・キャンベル米国務省東アジア太平洋担当次官補が7日、ソウル鍾路区世宗路の外交通商部で、金星煥外交通商部長官との会談を終えた後、取材陣の質問に答えている。ニューシス

韓米両国がアジア・太平洋地域の共通懸案に対応するための高位級協議チャネルの構築に合意した。アメリカの提案を韓国が受け入れたことで、韓米同盟を対北朝鮮同盟から中国牽制のための地域同盟に変容しようとするアメリカの意図に、韓国が引きずり込まれてしまうのではないかとの憂慮が出ている。

カート・キャンベル米国務省東アジア・太平洋担当次官補は7日、ソウル世宗路の政府中央庁舎で金星煥(キム・ソンファン)外交通商部長官と会談後、略式記者会見を通じて、「韓米両国は同盟を拡大強化する観点から、アジア・太平洋地域の多様な問題を議論する次官補級公式対話をスタートさせることに合意した」と明らかにした。外交部中枢の当局者も9日、「これから領域内の多様な問題と多者会談での共同歩調案を協議する予定」と話した。韓米アジア・太平洋協議体は、キャンベル次官補と金在信(キム・ジェシン)外交部次官補が首席代表を引き受けることになると発表された。

キャンベル次官補の説明で注目される点は、「韓米同盟の拡大強化の観点」でアジア・太平洋協議体を推進するという大きな課題だ。対北朝鮮抑止を主目的とする韓米同盟の範囲を、アジア・太平洋地域に拡大するという意味と解釈される。この場合、韓米が共同対応を議論することになる対象は、アジア・太平洋地域で急速に影響力を強化している中国になる可能性が高い。現在の中国とアメリカは、南シナ海問題、スプラトリー諸島領有権問題、台湾関係などで激しい対立を生じさせている。

問題は米中間の利害が衝突する地域の懸案について、韓国がアメリカと歩調を合わせる場合、韓中関係への悪影響が予想されるという点だ。中国は「韓米同盟は冷戦時代の遺物」としており、韓米同盟強化がアジア・太平洋地域での対中封鎖につながる可能性を警戒している。

外交部中枢の当局者は「韓米同盟が地域同盟化するという主張の核心は軍事的協力と関連したことで、今回の合意とは関係ない」として、韓米同盟の性質の変化の可能性を否定した。彼は「今回の韓米アジア・太平洋協議体の構成は、韓米間の様々なチャンネルを用意し、懸案協議の水準を上げようということで、対中封鎖の意図は全くない」と話した。

しかし韓国の意図とは異なり、今後、米中間の外交的対立が増大する場合、米国が韓米アジア・太平洋協議体を対中牽制用に活用しようとする可能性が高いとする見解が多い。

ムン・チョンイン延世大学教授は、「韓米が東アジア首脳会議(EAS)やアジア太平洋経済協力(APEC)などの地域協議体で議論する事案を、定例的に協議する程度なら分からないが、中国牽制のためのチャンネルとしてアジア・太平洋協議体が活用されると、地域緊張激化につながることになりかねない」と憂慮した。

ソン・ウォンジェ記者 wonje@hani.co.kr
原文:https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/499932.html 訳 M.S